「2階リビング」を後悔しないためのコツ|メリット・デメリットや老後対策を解説
住宅密集地など、隣の家との距離が近い土地に家を建てる時におすすめなのが、2階にリビングがある間取りです。
しかし、「2階にリビングのある生活はイメージできない」「建ててから後悔しないか心配」という方も少なくないはずです。
SNSやブログなどの口コミを見ると「やめておけばよかった」「失敗した」と感じている方もいるようです。
そこで、今回は「2階リビング」について、事前に知っておいていただきたい注意点やデメリットを対策と併せて紹介します。
「蓮見工務店+蓮見建築設計事務所」がこれまで手がけた実例写真を交えて紹介しますので、マイホームの新築を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
● 「2階リビング」を採用する場合は、事前にデメリットや注意点とその対策を知っておくことが重要です。
● 私たち「蓮見工務店 + 蓮見建築設計事務所」は、“手作りの家”をモットーに、お客様のご要望を叶えた住宅を数多く手がけてきた実績があります。
目次
2階リビングのメリット
最近、あえて2階にリビングを配置する間取りが増えています。
なぜなら、最近の土地事情や生活様式にフィットするメリットがいくつもあるからです。
- 隣家との距離が狭い住宅密集地などでも、日当たりの良いリビングになる
- 隣家や前面道路との距離が狭くても、周囲からの視線を受けにくく、大きな開口部を作りやすい
- 道路との距離が物理的に遠くなるため、車の音や道路を行き交う人の会話が聞こえにくくなる
- バルコニーを併設すれば、プライバシー性の高いアウトドアリビングを作れる
(バルコニーをオーバーハングにするとその下を屋根付きガレージとして活用できる) - 天井高の高い開放的なリビングになる
(1階リビングに吹き抜けを作ると、2階床面積が減る) - 大空間を2階に配置することで、耐震に関わる費用を抑えられる
(1階に大空間を配置すると、上階の荷重負荷を考慮した構造設計が必要) - 2階リビングにして1階に寝室をレイアウトすると、個人個人のプライバシーを確保しやすい
(早朝・深夜の帰宅が多い人におすすめ) - 災害時に床上床下浸水の被害を受けても、最低限の生活を確保しやすい
このようなメリットから、「明るいリビングにしたい」「外部からの目を気にせず開放的なリビングでリラックスしたい」とご要望の方より、2階リビングの家をご相談いただきます。
【SNS・ブログの口コミで見る】2階リビングのデメリット・注意点とその対策
メリットが多く最近人気の高まっている「2階リビング」ですが、SNSやブログを見ると、“後悔した”と感じている方もいるようです。
そこで、よく見かける失敗例から、2階リビングのデメリット・注意点とその対策を紹介します。
2階は1階よりも暑い
2階などの最上階は、1階よりも太陽熱の影響を受けやすいため、室内が熱くなりがちです。
そのため、日当たりやプライバシー性も重視して2階リビングにしたものの、夏場は暑くていられないと感じている方もいるようです。
家全体の断熱性を高めることで、エアコンなどの省エネ効果も高まります。
天井が高い場合は、シーリングファンやサーキュレーターの送風によって体感温度を下げる方法も一般的です。
最近は、小屋裏エアコンを設置して、2階天井の表面温度を下げて輻射熱の影響を最小限に抑える事例も増えています。
家族とコミュニケーションをとりにくい
2階にリビングを配置すると、多くの場合、必然的に寝室などの個室を1階にレイアウトすることになります。
そうなると、帰宅時に家族と顔を合わせずそのまま個室へアクセスできますし、家族が気がつかないうちに外出することもできます。
そのため、SNSやブログでは、2階リビングの家に住み始めて、家族とのコミュニケーションが希薄になったと感じている方もいるようです。
リビングの一角に階段を設置すると、上下階が緩やかにつながり、1階にいる家族の様子も適度にうかがえます。
リビングに階段をレイアウトできない場合は、玄関上を吹き抜けにして、リビングに取り込む間取りも人気です。
吹き抜けを介して、暗くなりがちな玄関にも陽の光を取り込めます。
〈おすすめコラム〉「リビング階段をやめてよかった」と思う理由|デメリット・対策や後悔しないための間取りポイントを解説
老後が心配
「若いうちはいいが、老後に住みづらくならないか心配」という方もいます。
確かに、階段の上り下りをスムーズにできているうちは良いですが、それが大変になると2階のリビングが不便になることも想像できます。
そうしておけば、万が一、足腰が不自由になっても、その家で暮らし続けられます。
最近は、半畳〜1畳程度のスペースに後付けできるホームエレベーターもありますので、将来のために新築時から設置スペースを想定しておくのも良いでしょう。
〈おすすめコラム〉【建築士解説】車椅子で生活できるバリアフリーの新築住宅|間取りの工夫と注意点
2階の生活音が1階に響く
家の中の音問題は、住み始めてからでないとなかなか気が付きにくく、後悔する方は多いようです。
2階リビングに併設したキッチンの排水音や、お子さんが遊ぶ時に足音などが1階の寝室に響いてくるのが気になる方は少なくありません。
2階リビングのフローリング下に遮音・防音マットを敷き込み、キッチン・トイレ・洗面などの配管を防音処理する方法がおすすめです。
併せて、寝室の真上に水回りやリビングの中心エリアを配置しないなど、上下階の配置へ配慮することも重要になります。
(例:DAIKEN|防音建材・音響製品)
買い物帰りに荷物を運ぶのが大変
2階リビングにキッチンも併設する場合、買い物帰りに荷物を2階まで運ばなくてはいけないことに不便を感じている方は珍しくありません。
特に、休日にたくさんの食料をまとめ買いするご家庭や、飲料水やお米などを多めにストックしておきたいご家庭は要注意です。
最近は、シューズインクローゼットを広めにしておき、その一角に防災用品や日用品・食料品のストックを保管できる場所を作る事例が増えています。
買い物から帰って靴を履いたまま荷物を運び入れられる点がメリットです。
〈おすすめコラム〉注文住宅の玄関の広さの決め方やおすすめしたい収納
来客動線が長くなる
リモートワークする方が増え、間取りへワークスペース(書斎)を取り入れる方が増えていますが、対面での打ち合わせなどが多い方は、来客を迎えるスペースも必要です。
スペースの都合上、リビングで仕事の打ち合わせをする方も多いですが、2階リビングにすると、来客動線も長くなり、家族のスペースとの境界が曖昧になる可能性があります。
動線の長さだけではなく、リビングなど来客を迎える場所へアクセスする際に、家族のスペースをできるだけ通らないようにすることがポイントです。
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庭をあまり使わなくなる
「2階リビングにして庭へ出なくなった」という方もいらっしゃるようです。
確かに、1階にリビングがあると、日常的に庭が視界に入りやすく、ウッドデッキなどを作って室内と一体的にアウトドアリビングとして活用する方も多いでしょう。
逆に、2階へリビングを配置すると、庭へ意識が向きづらくなり、雑草を放置しがちになったり、家庭菜園の水やりを忘れがちになったりする可能性があります。
家庭菜園を楽しみたい方は、帰宅や外出時に目に止まる場所に菜園をレイアウトしましょう。
また、2階リビングへ隣接する場所へバルコニーを作り、その下を駐車スペースや駐輪スペースにするプランもおすすめです。
防犯性が心配
在宅時、2階リビングにいる時間が長く、1階に人がいる気配が分かりづらいと、防犯面で不安に感じる方は少なくありません。
防犯性の高い玄関ドアや窓にして不審者の侵入を防げたとしても、ガラスを破られたりしないか心配な方もいらっしゃるはずです。
1階窓の周りに人が隠れられる場所(植栽などの影)を作らないようにしておくのも有効です。
防犯的な観点から、敷地をフェンスや門扉で囲わないオープンエクステリア(オープン外構)を取り入れる事例も増えています。
1階リビングへのリフォームは大変
「足腰が弱くなったら1階へリビングを移動すればいい」と考えている方もいるかもしれません。
確かに、リノベーションで間取りを変更することができますが、リビング・キッチン・ダイニンをセットで2階から1階へ動かすとなると、家の中をスケルトンにしてフルリノベーションしなくてはいけません。
1階に大きな空間であるリビングを移動させると、構造体の補強や給排水管・電気配線の移動、開口部の移動・追加など、見えない部分にも費用がかかるからです。
そのため、2階リビングを採用する場合は、新築時からメリット・デメリットを踏まえて、じっくり検討することが重要です。
将来売却できるか心配
2階リビングの家について調べると「売却しづらい」という言葉を見かけます。
確かに、2階リビングは住む人の家族構成やライフスタイルを限定する側面もあり、“万人受け”する物件とは言えないかもしれません。
逆に、「終の棲家としてこの先ずっと住み続けたい」「30年以上売却の予定はない」という場合は、いざ売却する時になると、建て替え前提で購入する方も出てくるはずです。
そのため、立地条件さえ悪くなければ、2階リビングが大きな足枷になることはないでしょう。
ずっと住み続ける我が家の間取りは、将来の売却可能性よりも家族の住み心地を優先することをおすすめします。
セカンドリビング・ファミリールームのある間取りもおすすめ
「2階リビングのメリットは捨て難いが、将来の生活に合うか心配」という方におすすめなのが、“セカンドリビングやファミリースペースのある家です。
来客スペースや家族だけでリラックスできる場所としても使えます。
「ファミリールーム」もセカンドリビングと似た空間で、くつろぐ場所や勉強などの作業をする場所など、色々な用途に活用できます。
2階リビングとは別にセカンドリビングやファミリールームを1階へ配置すると、外に開かれた来客用スペースと家族用のプライベートなスペースを使い分けられます。
例えば、玄関脇にセカンドリビングを配置すると、来客があっても家の中を通らずに迎え入れられますし、来客中に家族が気兼ねなく2階リビングでくつろげますよね。
また、1階の一部にファミリールームを設ければ、個人個人が気分によってリラックスする場所を選べるようになります。
ちなみに、セカンドリビングやファミリールームは個室である必要はありません。
そのため、玄関ホールを広くしてスペースを確保したり、屋根付きのインナーポーチや中庭を使う間取りもおすすめです。
このように、“+α”の空間があると、マイホームがより一層居心地の良い場所となるはずです。
〈おすすめコラム〉【建築士解説】人気の“アウトドアリビング”は本当に快適なのか?後悔事例とその対策
ずっと快適に暮らせる住まいの新築・リノベーションは実績のある工務店・設計事務所に
後悔のない住まいづくりを実現させるためには、4つの要素を備える建設会社へ相談することがポイントです。
- 長寿命で高耐久な構造計画
- 機能的で無駄のない動線を踏まえた間取り計画
- 温もりや居心地の良さを感じられる内装デザイン
- 住む人の健康を維持するための材料・設備選び
その全てを兼ね備えた住宅づくりは、設計事務所の設計力だけでも工務店の施工力だけでも叶いません。
「長く安心して住み続けられる住宅にしたい」という方は、丁寧に要望に耳を傾け、専門的な知識を踏まえたプランを提案してくれる設計者や施工会社に相談しましょう。
私たち蓮見工務店は、設計事務所としての経験や知識を踏まえ、お客様に心から安心していただける住まいづくりを徹底しております。
また、常に最新技術にも目を向け、その時に出来うる限りのご提案させていただきます。
私たちが“年間限定6棟宣言”をしているのは、お客様ひとりひとりと真正面に向き合っていきたいから。
デザインと性能、快適さの全てを持ち合わせた家を埼玉県で建てたい方・リフォームしたい方は、ぜひ「蓮見工務店」までお問合せください。
蓮見工務店の家づくりへの想い
私たち蓮見工務店は、「工務店」+「設計事務所」ならではの手作りの家づくりときめ細かいアフターメンテナンス、そして設計事務所として培ってきたデザイン性、高性能な家を提供させていただきます。
「熱を集め、移し、蓄える」
「風を通し、涼を採り、熱を排出する」
「直接的な日射を避ける」
「断熱・気密性を高める」
などのパッシブデザインも積極的に取り入れ、今まで多くの雑誌にも掲載していただきました。
快適で心地よい暮らしは、設計、性能、見た目のデザインなど、全てのバランスで実現できます。
そして、経験豊富な職人の手によってカタチになるのです。
私たち蓮見工務店は、それらすべてにこだわり、お客様の一棟に全力を注いでまいります。
注文住宅やリフォーム、リノベーション、店舗などの建築をご検討中の方は、これまでに携わったお宅をご見学ください。
「木造住宅の視覚的な心地よさ、木にしか出せない香り、温かみのある手触り」や「木の心地よさと併せて太陽の光などを取り入れた、パッシブデザインの良さ」を感じて頂けるはずです。
ぜひ、お気軽にお問い合わせ下さい。