平屋の特徴
階段のない暮らしができる平屋は、子育て時代から、高齢になるまで、暮らしやすさが続く家です。全てのライフステージにおいて、家事負担が少なくなる、階段事故がないという良さがあります。
子育て中の平屋の良さ
子供が就学するまでは、常に大人の見守りが必要です。二世帯住宅など、外に働きに出る人以外に、家で子供の見守りをする人の人出が多ければ、家事と見守りを分担できます。しかし、多くの場合、子育て中は、子供の見守りをしながら、家事をする生活が続きます。
子供の見守りをしながら、家事をスムーズにするためには、常に子供が視界に入る間取りが、大きな助けになります。細かく居室が区切られている間取りではなく、つながりのある間取りです。平屋の場合、階段がないので、家の中の空間を繋げる間取りにできます。
ダイニングキッチンとリビングを繋げる、対面キッチンにするといった間取りが、キッチンでの作業中にも子供が見守れ、引き戸で分ける続き間の和室を設けるといった間取りが、子どもが眠ってしまっても、リビングから見守れる環境を調えます。洗濯物を干しに2階に上がった母親を、子供が後追いして、階段を踏み外す、2階で寝ていた子供が、目を覚まして、階段から転落するという心配もありません。
玄関からつながるリビングを中心とした間取りにすると、家族の自然なコミュニケーションの機会が多くなることも平屋の良さです。子供が成長してからも、常に家族の気配が感じられ、子供が一人で外出できる年齢になっても、子供の外出や帰宅を把握できます。
平屋と周辺の環境との関係
平屋には、庭を身近に感じられる、子供を庭で遊ばせやすいなど、家の中と外が、融合しやすいという良さがある一方、周辺の環境を受けやすいという問題点があります。この部分が、平屋をあきらめる理由の一つになってしまうのではないでしょうか?敷地が狭く、隣家や道路との距離が取れない場合、隣家の2階部分の陰になってしまい、陽当たりと風通しが悪くなる、道路や隣家からの視線が家の中に届きやすい、といった状態になる恐れがあるからです。
確かに平屋は、2階建ての家に比べて、周辺の環境に左右されます。パッシブデザインを考えた場合、冬場に陽当たりを期待できないのは大きな損失となります。その場合は天窓を設置して補うという方法が有効となりますが、夏場の日射熱の制御にも気を遣わなければなりません。また、建物配置を工夫してコの字型の形状や、中庭のある家にするといった方法によりプライバシーや日射・通風を確保するという方法もあります。ただ、もともと平屋は二階建てに比べ、屋根や基礎の面積が大きいので外皮(外部の温熱環境に面する部分)の面積大きくなるのに加え、コの字型や中庭形状にすると、外壁面積もふえるので、冷暖房の負荷が大きくなることへの対応も工夫する必要がありそうです。
周辺の環境に合わせた設計をとおして、快適な室内環境が造りだされます。敷地のポテンシャルを読み取り、平屋建てが有効であるかをしっかりと考えながら計画しましょう。
二階建て住宅の特徴
二階建ての家の良さは、同じ敷地面積の土地に建てたとしても、箱形の家にすれば、2倍の床面積が得られるということです。土地の価格が高額な日本で、2階建ての家が多いのは、この部分が大きな理由ではないでしょうか?
家族の暮らし方に柔軟に対応できる二階建て住宅
2階部分は、外部からの視線や騒音が入りにくいので、プライバシーが守れる静かな居室を持てるということも、二階建て住宅の良さです。同時に、家の中でのプライバシーを守りやすい、という良さもあります。特に、二世帯住宅にする場合などには、それぞれの世帯のプライバシーを守りやすく、完全分離型から部分共有まで様々なタイプの二世帯住宅に対応できます。
ただ、間取りによっては、家族の自然なコミュニケーションが生まれにくくなることもあります。家族構成や、家族の暮らし方、子供への教育方針などを考え併せて、間取りを決めていくことが大切です。
二階リビングという選択肢もある
周辺の環境によっては、1階は日当たりが悪くなってしまう場合、吹き抜けを設けて二階の窓から日射を入れるという方法はとても有効です。また、二階リビングにするという方法もリビングの居ごこちの良さという点で大いに期待できます。この場合、水回りすべてを2階にすると、洗濯物に関わる家事をかなり減らせます。ただ、この方法をとった場合、玄関とリビングが直結できません。その結果、子供が一人で外出する年齢になった時、子供の外出、帰宅を把握しにくくなる恐れがあります。
二階リビングを採用する場合には、子供が一人で外出する年齢になった時、子供部屋が1階にあったとしても、まずリビングに上がって帰宅の挨拶をする、黙って出かけないなどの習慣をつける、または鍵を持たせず、外出、帰宅の度に大人が下に降りて、玄関を施解錠をするなどの工夫が必要です。
バリアフリーが難しい
二階建ての家の最も大きな問題点は階段です。階段によって、家事負担が大きくなってしまいます。また、子育て中には階段事故の不安があり、高齢になってからはバリアフリーにしにくい環境になってしまいます。子供が独立後、2階を持て余し、特に高齢になってからは物置状態になっているというケースもあります。
将来の2階の利用を見越して、ホームエレベーターを設置するための、構造とスペースを確保しておくのも良いかもしれません。
平屋と2階建ての良さを融合したロフトハウス
平屋にしたいが、敷地の広さと家族構成から考えると、十分な床面積が得られそうにないという場合には、ロフトのある平屋にするという方法があります。ロフトは、屋根裏部分を利用するプラスαの空間です。収納スペースとして使うことも、書斎や子供部屋として使うこともできます。
ロフト部分に窓を設けると、陽射しが入ることに加えて、1階の窓からの風が通りぬけていくので、風の通り道が広くなり、換気の良い環境が創られます。夏には、室内の熱を排出する役目もします。その為、周辺の環境によって、日当たりと風通しを確保しにくいというような場合、ロフトがその解決に役立つこともあります。
ただ、ロフトは使いにくく、新築後数年で、収納したものは収納したままになり、使わなくなったという話をよく聞きます。それは、ロフトの造り方に問題があるからです。梯子式や折りたたみ収納式階段のロフトは、確かに使いにくく、次第に使わなくなってしまう恐れのあるロフトです。収納する為に両手に大きな荷物を抱えていると、昇り降りが難しいからです。一人では収納できないこともあります。固定階段式のロフトであれば、そのような心配がありません。ロフトを収納として使う場合、一人でも、荷物の上げ下ろしができます。床面積に参入しない(天井高1.4m以下のスペース)ロフトの場合、確認審査機関(建築主事)によっては固定式の階段を認めない事例もあるようですので、確認が必要です。
また、子供の寝室に使おうと思い、ロフトを造ったが夏は暑くて、到底寝室としては使えないという話も聞きます。それは、住宅の断熱性や通風経路の確保などによる排熱が十分ではないからです。ロフトだけではなく、吹き抜けやスキップフロアなど、家の中の空間が縦にも繋がっている場合、冷暖房の効率は低下します。その為、ロフトや吹き抜けなど、空間の広がりが大きくなる設計に対しては、それに見合うだけの断熱性の高さが求められます。
ロフトは、造り方次第で、使いやすい空間にもなり、使えない空間にもあるスペースです。家全体の間取りとのバランスを考えて、使いやすいロフトを設けると、平屋の床面積の不足を補える可能性があります。
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平屋と2階建て住宅には、どちらも良い面と問題点があります。暮らしやすい家の基本である家族構成と家族の暮らし方、床面積の制限となる敷地の面積、室内環境に影響する敷地周辺の環境をすべて考えあわせた上で、平屋、二階建て、ロフトハウスの選択をすることが大切です。
設計の工夫で克服できる問題もあるので、始めからあきらめず、家づくりプラン作成を始める際に、敷地は狭いけれど平屋にしたいなどの希望を伝えましょう。
蓮見工務店の家づくりへの想い
私たち蓮見工務店は、「工務店」+「設計事務所」ならではの
手作りの家づくりときめ細かいアフターメンテナンス、
そして設計事務所として培ってきた
デザイン性、高性能な家を提供させていただきます。
「熱を集め、移し、蓄える」
「風を通し、涼を採り、熱を排出する」
「直接的な日射を避ける」 「断熱・気密性を高める」
などのパッシブデザインも積極的に取り入れ、
今まで多くの雑誌にも掲載していただきました。
快適で心地よい暮らしは、設計、性能、見た目のデザインなど、
全てのバランスで実現できます。
そして、経験豊富な職人の手によってカタチになるのです。
私たち蓮見工務店は、それらすべてにこだわり、
お客様の一棟に全力をそそいでまいります。
注文住宅やリフォーム、リノベーション、店舗などの建築を
ご検討中の方には、これまでに携わったお宅をご見学していただけます。
「木造住宅の視覚的な心地よさ、
木にしか出せない香り、温かみのある手触り」
「木の心地よさと併せて太陽の光などを取り入れた、
パッシブデザインの良さ」
を感じて頂けます。
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