【震災時に大切な、断熱性能とは!?】 家づくりを『学ぶ』ブログ・温熱編 第32回

冬場の避難生活は、本当に厳しいものだと思います。

 

いつも読んでいただき

ありがとうございます。

 

埼玉県北本市で

『学んで楽しむ家づくり』を

お届けしている

 

“住まいの知恵袋、
家づくり問題解決仕事人”

 

蓮見工務店社長 蓮見幸男です。

 

昨年の取材時に撮っていただいた1枚。

 

こんなお家つくってます。

鴻巣市 O邸 キッチン(2012年竣工)

 

≪30年後も、しみじみ

「良い家だ」と思える家づくり≫

 

を味わって貰いたくて

毎日書いているブログの

 

今日が779回目です。

 

週始めの今日は

全国的に換気が後退して

 

3月上旬から中旬並みの暖かさに

恵まれる場所が多いようです。

 

残念ながら、わたしの住んでいる

関東地方は曇りがちで、

平年並みの気温という予報です。

 

それでもこの時期に

最低気温がマイナスにならないのは

生活実感として

本当にありがたいです。

 

 

 

昨年の能登半島地震(R6.1.1)

東日本大震災(H23.3.11)

阪神淡路大震災(H7.1.17)

と、大きな震災の発生時期が

 

とても寒い時期と重なり

被災者の方々は

2重、3重の苦労をされたと聞きます。

 

 

 

さて、毎週土曜日は

 

“家づくりを『学ぶ』ブログ・温熱編”

~暮らしの快適を守る温熱環境”いろはの”~

 

をテーマにブログを書いていて

 

今日はその32回目

【震災時に大切な、断熱性能とは!?】

をおとどけします。

 

 

震災発生時に自宅で生活する際の

暖房器具無しでの室内の温熱環境について

 

過去のブログでふれていますので

ご紹介いたします。

 

 

~2023年1月18日のブログから~

 

災害時の帰宅難民を想定して

 

朝日新聞のさいたま総局の記者の方が

30㌔離れた自宅に、徒歩で帰宅してみる

 

という試みの続報が

今日の埼玉版に掲載されていました。

 

 

会社にあった防災グッズを

背負ったリュックに入れて

 

中央区築地にある、朝日新聞本社から

30㌔先の自宅に向けて

災害時の避難に詳しい専門家と共に、

いざ出発!

 

途中、実際の災害を想定して

回り道をしながらの道中

 

5㌔ほど歩いて日本橋まで

2時間もかかってしまったそうです。

 

その後も、災害時に使用できる公衆トイレや

給水所を経由しながら

 

東京ドームまでたどり着いた時には

歩行距離10㌔

既に4時間経っていたそうです。

 

途中で食事をしようと

公園に立ち寄ったものの

 

背負ってきた防災グッズには

食料が一切入っていない

というオチもあり

 

同行した、専門家の方から「アルファ米」を

おすそ分けしてもらってました。

 

記者の方は、疲労困憊で

これ以上、歩き進めるのは困難と

判断したそうです。

 

 

予行演習で、この状況ですので

実際の災害時には

より以上の、困難が予想できますね。

 

帰宅ルートの検討や

備蓄装備品の内容確認など

 

実際の災害を想定して、もう一度

チェックしておく必要がありそうです。

 

 

 

 

幸いにして、自宅に帰還できたとして

 

住まいも、耐震性能をしっかり作ったので

そのまま住み続けられるとすれば

 

次に、住まいに求められるのは

温かさでしょう。

 

「阪神淡路大震災」の発生は1月17日

ですし

「東日本大震災」は3月11日でしたが

東北地方は、まだまだ朝晩は冷え込んで

 

避難生活が厳しかったと聞いています。

 

 

 

もし、自宅が構造的に

住み続けられる状態で

しかも、断熱性が高ければ

 

電気やガスが使えなくなったとしても

 

自宅での寝泊まりも、可能になってきます。

 

 

例えば、陽当りの良いリビングに

なるべく、家族みんなが集まるようにして

生活すれば

 

暖房機器が使えなくても

ある程度不便なく、暮らすことが出来そうです。

 

 

では、ザックリとシミュレーションしてみます。

 

・リビングの床面積が30㎡(18畳)

・断熱性能がUA値=0.35

(蓮見工務店の標準的な性能値です)

・日射熱を得られる窓の面積が6㎡

(1間の掃出し窓×2ヶ所)

・家族の人数が4人

・室内と外部の温度差=15℃

(室温20℃、外気温日中10℃、明け方0℃)

と設定します。

 

 

UA値からQ値への簡易換算式

Q値=UA値/0.37+0.35

 

に当てはめると、Q値=1.30です。

 

 

熱損失は、Q値×床面積×温度差なので

床面積が30㎡で、内外温度差が15℃とすると

 

1.30✕30✕15=585Wになり

一日で考えると、14.0kWhです。

 

 

次に熱取得を考えます。

 

先ず、窓からの日射熱の取得が

200W/㎡程度なので

 

6㎡×200W=1200W で

一日に平均4時間の日照があるとすると

1200✕4=4.8kWhの熱取得です。

 

ひと一人の、代謝による発熱量が

100Wほどで

一日の滞在時間の平均が16時間とすると

100✕4×16=6.4kWhにもなります。

 

合計すると、11.2kWhの熱取得になり

 

かなりの温度低下を防ぐことが出来ます。

 

おじいちゃんとおばあちゃんを呼んで

6人で仲良く生活すれば、

 

14.4kWhまでの熱取得が可能で

おおよそ、熱損失と熱取得が釣り合います。

 

つまり、外気温が0℃~10℃の日では

室温を20℃にキープ出来るという

シミュレーションが成り立つのです。

 

 

実際には、人の出入りなどでの

換気による熱損失や

 

隣室や廊下は屋外よりも寒くないので

熱損失は小さい、とかもあり

 

あくまで、目安にはなりますが

 

実際に「東日本大震災」の時に

Q値が1~2程度の住宅が

 

無暖房でも、生活が可能であった

との報告が多数あります。

 

 

 

震災への備えというと

どうしても、耐震性能や地盤強化など

構造強度に関する部分に

関心が行きがちですが

 

断熱性能と日射熱取得という点にも

目を向ける必要がありそうです。

 

どうしても、震災からのイメージは耐震性能になりますね。

 

 

今日は、

‟【震災時に大切な、断熱性能とは!?】

家づくりを『学ぶ』ブログ・温熱編 第32回”

というテーマで

大地震が発生した時に

自宅で避難生活をおくるために必要な

断熱性能の目安についてのお話。

 

 

すべての経験を誇らしく感じ

思わず自慢したくなる

『家づくりヒストリー』を

提供し続ける

 

あなたにとっての

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これからも、住まいに関わる

さまざまな話題をはじめ

蓮見工務店、わたしについても

情報提供したいと思います。

 

 

 

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参考にしていただければ幸いです。

 

このたび、温熱に関する、物件ごとの監修を

『松尾設計室』 松尾和也さんに、お願い出来ることになりました。

ご希望の方は、是非ご相談ください。

 

また、耐震構造に関しても

『構造塾』主宰 佐藤実氏に随時相談できます。

 

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