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ウォークインクローゼットに窓をつけるべき理由
ウォークインクローゼットには備えなくてはならない要素はいくつかあります。明るさ、使いやすい位置にあるコンセント、収納する物に合わせた棚やハンガーパイプ、そして換気の良さです。この中で、窓があると、照明の光ではない自然光と、換気の良さが得られます。
自然光が得られるウォークインクローゼットになる
夜間に使用することも考えて、適切な位置に照明は設置しなくてはなりませんが、日中は、照明なしでウォークインクローゼットが使えます。ウォークインクローゼットには、収納+作業ができるスペースという使用目的もあります。その場合には、ウォークインクローゼットに滞在する時間が長くなるので、照明なしで作業ができると、電気代の節約(省エネ)にもなります。
また、ウォークインクローゼットの使い方として、外出前の支度を調えるという用途も含まれている場合、自然光なら、外に出た時の色合いを鏡で確認できます。照明の光の下でメイクの仕上げをして外に出てみると、メイクが不自然だった…という経験をした方もいらっしゃるのではないでしょうか?服や靴との色のバランスも自然光で確認できるので、外出先でこんなはずではなかった…と感じることがなくなります。
換気ができるウォークインクローゼットになる
ウォークインクローゼットに窓がない場合、出入り口だけが開口部になるので風が通りません。そして、内部に収納されている衣類のほとんどは、湿気を吸収しやすい性質を持っています。その結果、カビや嫌なニオイが発生してしまうことがあります。また、掃除機をかける際に、埃の逃げ道がないため不快な思いをすることもあるでしょう。
窓があれば、出入り口と窓の間に風の通り道ができますし、換気扇を設けて積極的に換気する場合に新鮮空気を入れる給気口の役割も果たすので、換気効率が良くなります。年に何回かは、不要な衣類を処分するなど、長時間ウォークインクローゼット内で作業をすることもあると思います。そのような時に窓があると、気持ちよく作業ができます。作業スペースとしても使う予定であればなおさらです。
家づくり全体の計画を進める際のこだわりポイントは、家族それぞれです。その中で、多くの家族がこだわるポイントには、収納も挙げられます。家族に合った収納の数と収納量を備えた家にする為には、どのような収納計画を立てるべきなのでしょうか?
コラム 注文住宅の失敗しない収納計画
ウォークインクローゼットに窓をつける際に注意すること
窓があると、明るく風通しの良いウォークインクローゼットになりますが、窓の位置によっては、窓によって問題が発生してしまうことがあります。
衣類が紫外線で退色する
強い陽射しが入る向きに窓をつけてしまうと、衣類などの収納している物が色褪せしてしまう恐れがあります。家全体の間取りの都合上、南向きや西向きに窓を設けなくてはならない場合には、ブラインドをつける、UVカットタイプの窓ガラスにするなど日射遮蔽の方法も考えておく必要があります。
結露が発生する
紫外線の褪色を避ける為や、家全体の間取りの都合で北向きの窓にした場合や、土間収納の場合には、結露が発生する恐れがあります。断熱機能の高い窓ガラスにする、換気を積極的に行う、湿度の調整ができる木材や珪藻土の塗り壁を内装に使うなど、結露防止の対策を講じる必要があります。
窓から雨が吹き込み、湿度が上がる
季節によっては、良く晴れていたのに突然大雨が降りだすことがあります。また、掃除の際にウォークインクローゼットの窓を開け、閉め忘れてしまうこともあります。そのような時には、窓から雨が入って、せっかく換気の為に設けた窓のせいで、湿度が高くなってしまいます。その為、庇を設ける、多少の雨なら室内に雨が降りこまないすべり出し窓にするなどの対策が必要です。
参考サイト YKKAP窓の教科書 窓の開き方イロイロ
棚の位置が制限される
窓のサイズにもよりますが、窓があると内部の造り方に制限が出ます。ウォークインクローゼットの面積や使用目的にもよりますが、窓を設けた為に、収納量が減ってしまうこともあります。
例えば、自転車やベビーカーも置ける広めのシューズクロークにするのであれば、窓があっても自転車やベビーカーは置けるので、反対側に棚を作れます。しかし、面積が狭いウォークインクローゼットに棚や収納ボックスを目いっぱい置きたいという場合には、窓がある為に、目的通りの収納量に欠けるかもしれません。そのような場合には、引き違い窓ではなく、ハイサイドライトや、きわめて幅の狭い縦すべり出し窓を採用するなどの対策が必要です。
収納は家族の動線と調和していなければ活用できません。使い勝手の良い収納を実現する為のポイントを押さえておきましょう。
ウォークインクローゼットに窓をつけられない場合はどうする?
家全体の間取りの都合上、ウォークインクローゼットに窓をつけられないという場合には、窓以外の方法で、ウォークインクローゼットの換気計画をしなくてはなりません。
ランマや格子を使う
ウォークインクローゼットの出入り口を格子にする、壁の上部にランマを設けるなどの方法で、空気を循環させます。ただ、家全体の間取りが家全体の空気の循環に十分に配慮されていない場合、ウォークインクローゼットだけにランマや格子をつけても、高い効果は得られません。
ウォークスルークローゼットにする
出入り口のない廊下に収納棚が設けられているような感じのウォークスルークローゼットは、家族が通り抜けられるだけではなく、風も通り抜けていきます。その結果、ウォークインクローゼットに比べると、格段に換気の良い収納スペースです。
一方、ウォークスルークローゼットには、問題点もあります。ウォークインクローゼットに比べると動線が確保できる分、間取りへ影響が大きく床面積もより多く使います。使用目的と床面積に合わせ、家全体の間取りとのバランスを取りながら計画する必要があります。また、配置によっては浴室やキッチンからの湿気が、収納している物や衣類に悪影響を与えることがあります。その為、浴室やキッチンからの湿気が届く心配のない位置に、ウォークスルークローゼットを設けなくはなりません。
換気扇をつける
ランマや格子と組み合わせて換気扇をつけると、ランマや格子の働きが向上し、風通しが良くなります。その一方、換気扇は外の暑さや寒さも採り込んでしまうので、冬は寒い、夏は暑いウォークインクローゼットになってしまう恐れがあります。
住宅全体の断熱・気密性や空気の循環に配慮した間取りの場合、換気装置の計画も同時に行われます。その為、ウォークインクローゼットだけに焦点を絞って換気扇をつけると、他の換気計画がスムーズに機能しなくなる恐れもあります。その為、ウォークインクローゼットの換気扇は、家全体の換気計画に合わせて考える必要があります。
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ウォークインクローゼットを使いやすく計画するポイント
ウォークインクローゼットを設ける目的を明確にし、目的通りに使える広さを確保することが必要です。ただ、ウォークインクローゼットの為に、他のスペースが圧迫されないようにすることにも配慮しなくてはなりません。何となく便利そうだから造っておこうという発想でウォークインクローゼットを設けると、使い勝手の悪いウォークインクローゼットになってしまう可能性が高いので、注意が必要です。
- 家全体の間取りのバランスを考えた上で、ウォークインクローゼットに使える床面積と位置を割り出す
- 窓の向きに合わせて日射遮蔽対策と結露対策をする
- 窓がつけられない場合は、格子やランマを活用する
- 換気扇を設ける場合には家全体の換気計画に合わせる
整理整頓がしやすく、常に部屋をすっきりさせられるウォークインクローゼットは、暮らしをより豊かにします。綿密に計画して、理想のウォークインクローゼットを実現しましょう。
蓮見工務店の家づくりへの想い
私たち蓮見工務店は、「工務店」+「設計事務所」ならではの
手作りの家づくりときめ細かいアフターメンテナンス、
そして設計事務所として培ってきた
デザイン性、高性能な家を提供させていただきます。
「熱を集め、移し、蓄える」
「風を通し、涼を採り、熱を排出する」
「直接的な日射を避ける」 「断熱・気密性を高める」
などのパッシブデザインも積極的に取り入れ、
今まで多くの雑誌にも掲載していただきました。
快適で心地よい暮らしは、設計、性能、見た目のデザインなど、
全てのバランスで実現できます。
そして、経験豊富な職人の手によってカタチになるのです。
私たち蓮見工務店は、それらすべてにこだわり、
お客様の一棟に全力をそそいでまいります。
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