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平屋のロフトに固定階段のある間取りが生み出すプラスαの空間
平屋の問題点のうちの一つが、家族の居住面積に関する問題です。平均的な敷地面積より広い敷地に建てる場合には、それほど問題にはなりません。ただ、一般的な敷地面積に平屋を建てる場合、家族構成のよっては、十分な居住面積を確保できなくなってしまう恐れがあります。また、敷地周辺の環境や平屋の形状によっては、日当たりや風通しが確保しにくい家になってしまうこともあります。ロフトはこれらの問題の解決に役立ちます。
ロフトとは小屋裏空間のことです。この空間を利用して収納スペースや、書斎、子ども部屋などに活用できます。床面積の制限の中で、家族が揃って団欒するリビングや、毎日食事をするダイニング、その食事を作るキッチンにはゆとりを持たせたいと希望するご家族は少なくありません。その結果、書斎や子ども部屋をあきらめたり、収納の不十分な家になってしまったりすることもあります。
子ども部屋はご家庭の教育方針上、なくても良いと考える場合以外には、できれば用意してあげたい空間です。子どもが成長した時、一人になれる時間を持てるからです。また、近年の社会情勢から増え続けている在宅ワークに対応する為には書斎が必要になったりします。加えて収納スペースが不足していれば、物の溢れる片付かない家になってしまう恐れもあります。ロフトを計画したとしても、その全ての要素をロフトで造れるわけではありませんが、プラスαの空間が生まれることで、家全体の間取り計画にゆとりが生まれます。
平屋の日当たりと風通し、プライバシー確保とロフトの関係
平屋には、家の中心部まで陽射しが届かない、風通しが良くないという状態になってしまうことがあります。その為、敷地の広さと敷地周辺の環境に合わせて、コの字型やロの字型の形状にして中庭を造るなどの工夫が必要なったりすることもあります。
そしてそうした工夫の一つとしてロフトによって高い位置に窓を設けるという方法があります。高い位置に窓があると、その窓からの陽射しが家の中心部に届き、明るい部屋が生まれます。また、1階の窓からロフトの窓へと風が通り抜けていくので家中の換気が良くなるとともに、室内の熱が外に排出されます。
日当たりと風通しを良くするため、ロフトのない平屋のまま窓をたくさん設けた場合、敷地周辺の環境によっては、通りや隣家からの視線が入り込み、プライバシーを確保しにくい家になってしまうことがあります。窓には、日当たりと風通しの為には窓をたくさんつけたい、しかし窓が多くなるとその分プライバシーの確保が難しくなるという、相反する問題がつきものです。しかし、ロフトに高い窓があれば、比較的に人目を気にせず陽射しと風だけを採り込める窓が実現します。
窓には庭の景観を室内に採り入れるという役目もありますが、高い位置の窓からは晴れた日の空の青さや、夜空にまたたく星の美しさが採り込めます。視線は気になるけれど庭の草花は室内から見えるようにしたいという場合には、高い窓の他に和室によく使われる地窓を設けるという方法もあります。
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固定階段が解決するロフトのデメリット
ロフトは使いにくいと思われている方の多くは、昇り降りがしにくいことへの不安があるのではないでしょうか?確かにロフトには、収納式の階段や移動式の梯子が多く使われています。その理由としてスペース上の問題も大きいのですが、自治体(建築主事を置く特定行政庁)によっては収納式の階段や移動式の梯子以外は使用を認めないというケースもあるということが挙げられます。
また建築基準法におけるロフトの規定では、天井高1.4メートル以下、面積は直下階の2分の1までと定められています。その他にも、窓のサイズやコンセントなどに関する指導がある場合もあります。
それらの法規や指導に合致しない場合、ロフト空間は階として扱われ、平屋建てではなく2階建の建築物になります。その結果、小屋裏空間であれば床面積に加算されないロフトの床面積が、2階の床面積として加算されてしまい、固定資産税にも影響します。その為、計画地の自治体によっては使いにくいとわかっていても収納式の階段や移動式の梯子が採用されることがあるのです。
計画地がこうした自治体に該当する場合に考えたいことは、たとえ固定資産税が上がったとしても固定階段や広い窓のあるロフトにするか、床面積として算入されない範囲でロフトを造るかということです。収納にしようと思ってロフトを設けたけれど荷物を持って昇り降りしにくいので使わなくなったという結果になるのであれば、ロフトは無駄になってしまいます。
それならば、屋根の傾斜を活かした高窓設置だけにした方が建築費を抑えられます。しかしプラスαの空間が欲しいという場合には、どの程度固定資産税が上がることになるのか、家全体の床面積から算出してみてはいかがでしょうか?その上で、固定階段にするかしないか、大きな窓やコンセントの数の制限をなくすかといったことを含めて、どのようなロフトを計画するのかを決めていくことが大切です。
もし、書斎や子ども部屋としてロフトを活用したい場合には、固定階段以外に窓やコンセントに関しても調整が必要ですし、単なる小屋裏物置であれば必要もない設備にもなります。間取りプランの段階で、ロフトの位置づけを明確にしておくことが大切で、空間や機能として過不足の無い計画を設計者や施工を依頼する工務店と調整しておくと良いでしょう。
■ 平屋にも二階建てにも、それぞれの良さと、問題点があります。問題点を解決する方法も含めて、自分たち家族の家づくりは、どちらで進めていくべきなのか考えていきましょう。
平屋を固定階段付きロフトのある間取りにした際に考えておくべきこと
ロフトに関するチェック項目は、昇り降りの問題以外に温熱環境もあります。天井裏の空間を充分に取りづらいことによる日射熱の影響と、下の部屋から上ってくる熱によって、夏季にはかなり厳しい環境になる可能性もあります。
そこで考えなくてはならないことは、住宅の断熱性と気密性、屋根の遮熱性能、そして小屋裏換気量の確保です。住宅の性能が充分で無い場合、夏の暑さだけではなく、ロフトを造ったために上下温度差が大きくなり、エアコンの暖房効果が下がり、冬は足元が冷えるといった問題が発生することもあります。その為、ロフトを設ける際には、住宅の性能や暖房計画についても十分考えることが大切です。
埼玉県では、階段に対する制限は特に設けられていません。
参考資料 埼玉県建築基準法取扱集 6ページ
■ 住宅の性能によって暮らしの快適さは変わります。吹き抜けがあっても、最小限の冷暖房で、夏は涼しく、冬は暖かい家にするためには、どのような点に注意しなくてはならないのでしょうか?
蓮見工務店の家づくりへの想い
私たち蓮見工務店は、「工務店」+「設計事務所」ならではの
手作りの家づくりときめ細かいアフターメンテナンス、
そして設計事務所として培ってきた
デザイン性、高性能な家を提供させていただきます。
「熱を集め、移し、蓄える」
「風を通し、涼を採り、熱を排出する」
「直接的な日射を避ける」 「断熱・気密性を高める」
などのパッシブデザインも積極的に取り入れ、
今まで多くの雑誌にも掲載していただきました。
快適で心地よい暮らしは、設計、性能、見た目のデザインなど、
全てのバランスで実現できます。
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