注文住宅の平均的な価格と家の建て方の種類
多くの人が平均的な注文住宅の価格に目安として参考にするフラット35利用者調査の2020年度の集計表によると、注文住宅にかかった所要資金の全国平均は3,534万円です。埼玉県は首都圏に分類されるため、地域別でみると3,808万円とより高額です。さらに土地付き注文住宅となると、全国平均は4,545万円、首都圏の平均は5,162万円にもなります。家を建ててからの暮らしを考えると、重大な決断が迫られます。
参考資料 住宅金融支援機構 フラット35利用者調査
参考サイト 住宅金融支援機構 用語の解説
そこで注文住宅以外の方法での家づくりを検討する場合、いくつかの方法が考えられます。
規格型注文住宅
基本の外観や内装のデザイン、間取り、住宅性能があり、その中から家族の好みに合う色や家族構成に合う間取りを選んでいく方法が規格型注文住宅です。規格型注文住宅を建築する建築会社には、全国各地に多数のモデルハウスを常設し、自社で企画宣伝販売を一貫して行う大手ハウスメーカーと、規格型注文住宅のフランチャイズに加盟している工務店があります。
大手ハウスメーカーの規格型注文住宅は、テレビコマーシャルでご覧になり、そのイメージに憧れることもあるのではないでしょうか?イメージを売るということに莫大な費用をかけているので、モデルハウスを見学して、憧れを持つ人はいるでしょう。このイメージを売る為の費用が、ハウスメーカーの建築費には含まれています。その為、同じ面積、同程度の住宅性能の注文住宅と比べると、規格型注文住宅の方が高額であることも多いです。
一方、地元の工務店の中には、規格型注文住宅のフランチャイズとして戸建て住宅を建築しているケースもあります。フランチャイズの本社が規格と規格に合った建材を提供し、工務店が宣伝建築販売をするという方法の家づくりです。大手ハウスメーカーの規格型注文住宅に比べると、比較的価格が抑えられています。
どちらの場合も、ある程度はデザインや間取りに対する自由度はありますが、あくまでも規格の制限内での選択となります。その為、規格型注文住宅にする場合には、家族の好みに合っている外観や内装のデザインの家を建てるハウスメーカーや工務店を見つけることが大切です。規格型注文住宅の中には、セットで企画されたカーテンや家具などをオプションで販売している会社もあります。モデルハウス見て憧れたけれど、インテリアのセンスに自信がないという人にとっては、インテリア関連のオプションはありがたいかもしれません。
分譲住宅
既に完成した住宅を購入する住まい選びが分譲住宅です。家づくりにはしなくてはならない重要なことがたくさんありますが、その中の一つが土地の購入です。土地には戸建て住宅建築に有利な土地と、不利な土地という土地そのものの条件があり、土地選びには難しさがあります。分譲住宅の場合は、すでに土地が決まっているので、家族にとっての利便性や周辺環境の良さだけで選べます。
加えて、注文住宅の場合は、土地の購入に際につなぎ融資を受けることが多く、住宅ローンなど、金融機関との手続きが煩雑になることが多いのですが、分譲住宅なら住宅ローンだけで手続きができます。
ただし、外観や内装のデザイン、間取り、住宅性能など、家に関するすべてに対して自由度はありません。また、施工中の様子を見ることが出来ない、施工側も顧客の顔が見えない中での作業となります。ですので、家づくりにかける時間がないという場合には向いているとも言えます。
注文住宅
外観や内装デザイン、住宅性能など、家に関わる全てのことを予算の中で思い通りに造り上げていく家づくりが注文住宅です。注文住宅の中には億単位の費用がかかる高級注文住宅から、平均的な建築費相場より抑えた価格で建てられるローコスト住宅まであり、規格型注文住宅や分譲住宅に比べると価格の幅は無限にあり、検討しなければならない条件も非常に多いです。
規格型住宅や分譲住宅のように、家族の暮らし方の理想をある程度妥協しながら住まいに合わせるという事ではなく、理想の暮らし方に合わせた住まいを一から作り上げていく事が注文住宅の醍醐味であり、その過程そのものを楽しむことが家族の歴史になるのです。
■ 注文住宅で予算オーバーを避ける為に考えておきたいことには、どのようなことがあるのでしょうか?
注文住宅の価格と備えるべき条件
注文住宅の価格には大きな幅があります。そして、注文住宅は自由度が高い分、予算配分でバランスを欠いてしまうと、理想の家ではなくなってしまうこともあります。外観も内装も見た目は素晴らしいが、快適な室内環境が維持できない、家族が暮らしやすく、家事負担の少ない生活動線の整った間取りだが、地震に弱いというような家は理想的な家とは言えません。
快適な環境と省エネを同時に実現する
夏は涼しく、冬は暖かいという環境を最小限のエネルギーで実現する為には、断熱性と気密性の高さと適切な換気計画、家の中の空気が循環する間取り、適切な冷暖房の方法が求められます。
加えて、夏は深い軒で日射を遮蔽し室温の上昇を抑え冬は窓からの太陽の熱で室内を暖める、適切な位置に窓を設け明るさと風を採りいれるなど、自然のエネルギーとの賢い付き合い方で快適な環境を創ることも必要です。
■ 「省エネで快適な生活を実現するらしいけれど、高気密・高断熱住宅とは具体的にどんな家なのだろう?」住宅を新築する際に情報を集め始めると、高気密・高断熱という言葉が気になるのではないでしょうか?メリットは多そうだが、デメリットはないのだろうか?光熱費は節約できるのか?湿度対策はどうするのか?などの疑問を解決しましょう。
暮らしやすさを生む間取りと収納
家族にとってストレスのない家は、朝起きてから夜寝るまでの家族の行動がスムーズにできる動線、家族構成、家族の暮らし方にあったが動線が整えられた間取りの家です。加えて、家族の生活動線と、家族の持ち物の量に合わせた収納が、家の中を常にすっきりと清潔に維持します。
家族の命と財産を守る住宅性能
自然災害や犯罪の脅威から家族を守る耐震性や防犯性の高さが必要です。また、建物の性能を維持する為の耐久性への配慮も大切になります。外観デザイン、間取り、窓の位置、外構なども、耐震性や防犯性、耐久性の高さに影響を与えます。
■ 日本は地震の頻度が高く、ほとんどの人が日常的に地震への備えをしています。国は地震対策として高層ビルだけではなく、戸建て住宅も含めた全ての建築物に対して、耐震基準を設けています。家づくりの計画中には、住宅の耐震はどの程度にするべきなのか、耐震構造の家とはどんな家なのかなど、疑問も多く生まれるのではないでしょうか?
これらの条件を備える為に、費用をかければかけるほど、基本的には住宅の性能は向上していきます。一方、単に費用をかけることが住宅の質の向上につながるという訳でもありません。どの部分にどのように予算を配分するのかということが住まいの暮らし易さや満足度、クオリティーに影響します。
敷地条件や家族構成、暮らし方などを考慮しながら、バランスよく計画された住宅は、平均的な価格である3,534万円をかけなくても、家族の理想の家として実現できます。
注文住宅の価格帯別建築実例
注文住宅の価格には大きな幅がありますが、一般的価格帯の建築実例をご紹介します。