間取りの決め方の基本は家族の暮らし方にあわせた生活動線
家族の暮らし方にあった間取りとは、生活に必要な動線が整っている間取りです。そして、家族の暮らし方によって、効率の良い動線は変わってきます。ご夫婦だけの暮らしをする家と、三世代が同居する二世帯住宅など家族構成や、来客の頻度によっても、必要な動線が変わってきます。
子育てに備えての家づくりであれば、子供が成長した時のことや第二子が誕生した時のことも含めて、新しい家での暮らしを思い描き、子どもたちがある程度成長している場合には、現在の家族の家での過ごし方と、新しい家での過ごし方を考え併せて暮らしやすい動線を考えていく必要があります。
この動線を考える時、現在の家族に合う動線と同時に、子供が成長した時や、家を建てるご夫婦が高齢になった時の動線への対応のしやすさも考えておくことが大切です。例えば、子ども部屋を分割できるようにしておく、将来エレベーターを設置できるようなスペースとしての収納を設けるといった間取りの工夫です。
起床して出かけるまでの動線
起床して着替えをする場所はどこでしょうか?寝室や子供部屋など各自の居室でする場合、それぞれの居室から、洗面所やダイニングへの行きやすさを考えましょう。生活の時間帯がほぼ同じ4人以上の家族であれば、洗面台やトイレは1つでは足りないかもしれません。
現在は子どもが就学前であっても、中学生、高校生になった時の暮らしを考えて、サブ洗面台を設ける、洗面所を広くとりツーボールの洗面台を置くなど、朝の時間帯のラッシュが起こらないように計画しておくと、子供たちが成長してもスムーズに暮らせます。
寝室からウォークスルークローゼットを通り抜けると洗面所がある、寝室と子ども部屋の中間にどちらからも出入りできるファミリークローゼットを設けるなど、動線と収納をセットで考えると、自然に片付く寝室や子供部屋にできます。
帰宅してから就寝までの動線
家族の暮らし方によってこの動線は大きく変わります。家にいる時間のほとんどは家族の誰もがリビングで過ごす、常に家族の自然なコミュニケーションを絶やしたくないというご家族と、それぞれのプライベートな時間を大切にしたいというご家族とでは、暮らしやすい間取りが変わってくるからです。
もちろん、どんな家にも家族の愛情を育める環境と、家族それぞれのプライバシーを確保できる環境の両方が必要です。ただ、帰宅後は皆がリビングで過ごすというご家族と、帰宅後も食後も自分の居室で過ごすというご家族では、必要なリビングの広さが変わってきます。床面積に制限がなければ、どちらも広くとれますが、一般的な床面積の中で間取りを決めていく場合には、リビングと居室とのバランスを考える必要があります。
リビングで長時間過ごす家族であれば、広いリビングが必要ですが、自分の部屋で過ごすことが多い家族であれば、書斎を充実させる、趣味の部屋を造りたいなどの希望もあるのではないでしょうか?リビング中心の家族の場合には、リビングを広くとり、玄関から直結できる動線のある間取り、自部の居室で過ごすことの多い家族の場合、それぞれの居室を充実させ、玄関から階段に直結する動線のある間取りが考えられます。
就寝までの行動の中の一つに入浴があります。入浴に関しては、家族構成に合わせた浴室、洗面所、脱衣所の並べ方に配慮することが大切です。家族の人数が多い場合、子供が小さいうちは気になりませんが、中学生、高校生になると洗面所の奥の浴室があるという間取りが使いにくくなることがあります。入浴中には洗面所が使えない、洗面所を使用中には入浴出来ないというようなことが起こるかもしれません。ご夫婦と子どもが一人というような場合には、気にならないことも、家族構成によっては使いにくくなることがあります。家族構成に合わせて並べ方を考えてみましょう。
その他に、出かける時にも帰宅時にも勝手口や玄関と、門、駐車・駐輪スペースとの動線を考えておく必要があります。
■ 子供が何歳になっても、家族の暖かい触れ合いが継続することに加えて、暮らしの変化に対応できる家であることも考えることが大切です。
家事動線を確立させる間取りの考え方
朝はお弁当作り、朝食の支度と後片付けをしながら、洗濯をすることが多いのではないでしょうか?その合間に子どもを起こしに、2階の子ども部屋に上がることもあるかもしれません。これらの家事の効率を上げる為には、キッチン、ダイニング、洗濯機を置いている場所、洗濯物を干す場所、階段が回遊できる間取りになっていることが大切です。
洗濯物に関わる家事は、大人数の家族や子育て中の家族の場合、時間をとられる家事の一つなので、家事負担を少なくする間取りを考えておくことも大切です。例えば、2階のベランダに洗濯物を干す予定であれば、2階に洗濯機や洗濯物を入れるカゴ、仕上げをする為の台を置くスペースを設置するという間取りも考えられます。一方、外干しはしないという場合には、1階に洗濯室を設ける、または洗面所を広くとり、洗濯物を干したりアイロンをかけたりするスペースとしても使えるようにするという考え方もあります。どちらの場合であっても、仕上げた洗濯物を収納するスペースが組み合わされていれば、洗濯に関わる家事の時短に繋がります。
間取りの決め方では窓・収納・家具や家電のサイズも大切
家の中を健康的でゆったりくつろげる環境にしておくためには窓の位置が、物が溢れない自然に片付く環境にしておくためには収納の位置とサイズの決め方が大切です。
窓の位置やサイズと開き方の種類
窓からの陽射しは家の中を明るく、冬は暖かくし、風は家の中の換気を良くします。しかし、窓の位置やサイズが周辺の環境にあっていないと、陽射しも風も採り込めない窓、陽射しや風は入るが外部からの視線が入りプライバシーを確保できない窓になってしまいます。また、日当たりも風通しも良く、プライバシーも確保できるが、家具が置きにくいという窓になってしまうこともあれば、家の向きと地域の風の性質によっては、引き違い窓では風を採り込めない窓になってしまうこともあります。
陽射しと風を採り込みプライバシーは確保する窓、家具を置きたい場所における窓のする為には、周辺の環境に配慮することと、窓の位置によって適切な窓の開き方の種類を選ぶこと、そして家具の配置を想定しておくことが大切です。
■ 窓は少なくするべきなのか、多くするべきなのか、窓が暮らしやすさに対して担う役割と共に考えていきましょう。
■ 快適な室内環境を生み出す為には、断熱・気密性、換気や空調計画に加えて、自然のエネルギーを上手に採り入れる暮らし方が求められます。
収納のサイズと位置
家族の動線にあった位置に収納を造ることが使いやすい収納の条件の一つです。しまいたい時にすぐにしまえる場所にないと、面倒になりソファの上などに物を置くことになってしまいます。また、子供が成長した時に増える持ち物の量も含めた家族の持ち物の量を受け入れられるだけのサイズも必要です。もちろん、造り過ぎれば、床面積も建築費も圧迫されるので、適切なサイズにする必要があります。
その為、子供が成長した時に増える持ち物の量も含めた家族の持ち物をリストアップして、サイズを決め、収納する物のサイズに合わせた奥行きや幅の収納にすることが大切です。奥行きが深すぎてデッドスペースが生まれる、高さや幅が足りず、収納する予定だったものが入らないというような事態を防げます。
■「収納の数は十分あるのに家の中が片付かない」というケースもあれば、「収納の量が足りない」というケースもあります。家族に合った収納の数と収納量を備えた家にする為には、どのような収納計画を立てるべきなのでしょうか?
コラム 注文住宅の失敗しない収納計画
家具や家電のサイズと位置
間取りを決めていく時点では、家具や家電はまだ購入していないと思いますが、購入予定の家具や家電のサイズはチェックしておきましょう。新居が完成し、いざ家具や家電を入れるというタイミングで、予定していた場所に収まらない、又はデッドスペースが生まれてしまう、家具や冷蔵庫、室内ドアの開き勝手が逆だった、窓やコンセントが家具に隠れてしまうなど様々な問題が発生してしまう恐れがあります。
注文住宅は自由な分、決めなくてはならないことが多く大変ですが、家はこれからの家族の拠り所となる大切な場所です。どんなに時間がかけてでも、綿密に計画を進めていきましょう。
蓮見工務店の家づくりへの想い
私たち蓮見工務店は、「工務店」+「設計事務所」ならではの
手作りの家づくりときめ細かいアフターメンテナンス、
そして設計事務所として培ってきた
デザイン性、高性能な家を提供させていただきます。
「熱を集め、移し、蓄える」
「風を通し、涼を採り、熱を排出する」
「直接的な日射を避ける」 「断熱・気密性を高める」
などのパッシブデザインも積極的に取り入れ、
今まで多くの雑誌にも掲載していただきました。
快適で心地よい暮らしは、設計、性能、見た目のデザインなど、
全てのバランスで実現できます。
そして、経験豊富な職人の手によってカタチになるのです。
私たち蓮見工務店は、それらすべてにこだわり、
お客様の一棟に全力をそそいでまいります。
注文住宅やリフォーム、リノベーション、店舗などの建築を
ご検討中の方には、これまでに携わったお宅をご見学していただけます。
「木造住宅の視覚的な心地よさ、
木にしか出せない香り、温かみのある手触り」
「木の心地よさと併せて太陽の光などを取り入れた、
パッシブデザインの良さ」
を感じて頂けます。
ご希望などございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。