玄関のクローゼットに何を入れる?
新築時の収納計画は、家の中を自然に片付く環境にする為に非常に重要です。収納はたくさん設ければよい、広くすれば使いやすいというものではありません。家族の動線、収納したい物の種類やサイズ、量にあっていなければ、せっかく床面積を費やして収納を設けても使わない収納になってしまいます。
収納したい時に、収納したい物がちょうど良く収まるサイズの収納であれば、効率の良い活きた収納が生まれます。しまいたいけれど、収納のある場所まで行くのが面倒、しまいたいのに入りきらない、手前の物や上の物をどけないと目的の物が取り出せない、というような収納スペースは、次第に使わなくなっていく率の高い収納です。
家の中をすっきりさせる
一方、玄関のクローゼットには、しまいたいけれど収納のある場所まで行くのが面倒、という問題が発生しません。玄関は、家族が外出、帰宅の際に必ず通る場所なので、家族の生活動線上にあるからです。リビング中心の間取りでは、帰宅した家族の玄関からリビングへの動線が設けられています。
そのような間取りには、家族の愛情を育みやすく、子どもの行動を把握できるという良さがある一方、帰宅した家族がコートや荷物をリビングに持ち込むのでリビングが片付かないという困った面もあります。2階リビングなら、帰宅したら自分の部屋にコートや荷物を片付けて2階に上がるという帰宅動線にできますが、玄関→リビングという間取りでは、自分の部屋まで持って行くのは面倒です。もし、玄関に靴以外にも収納できるクローゼットがあれば、帰宅した家族はコートや荷物を収納してからリビングに行くことになるので、リビングに物が溢れなくなります。
玄関をすっきりさせる
子育て中には、子どもの靴や外遊び用のおもちゃなどが玄関の土間に散乱してしまいやすくなります。家族の人数が多いほど、靴や傘の数が増えるので、十分な収納スペースが必要です。
玄関周りをすっきりさせる
ベビーカーや自転車を置ける広さの収納があると、玄関周りがすっきりします。
コラム 自転車を玄関に収納できる家を建てたい
玄関にクローゼットを設ける目的
目的や使い方によって玄関のクローゼットの造り方が変わります。何のために設け、どのように使いたいかということに基づいて計画を進めることが大切です。
ベビーカーや自転車も収納したい
玄関のクローゼットには、シューズクローゼットと呼ばれる土間収納があります。土間は靴のまま立ち入れるので、ベビーカーや自転車などを収納できます。
玄関とリビングを繋ぐ廊下のように使いたい
玄関は家族が毎日通る場所なので、常に気持ちの良い環境にしておきたい場所ですが、同時に来訪者に対しては、第一印象を与える場所でもあります。玄関を靴や傘、コートなどを収納する家族用のスペースと、お客様をお通しするスペースに分離する収納の造り方があります。玄関の収納をウォークスルータイプにして、家族用の帰宅動線にし、残りの半分を来客用の動線にするという玄関です。
収納部分は間仕切壁で目隠しされているので来客用のスペースには、絵を掛けたり、花を飾ったりして洗練された空間にしておけます。家族は玄関で靴や帽子、コートを収納してからリビングに入るので、手洗い用の洗面台をリビングとの間に設けておくと、子どもに帰宅時の手洗いうがいの習慣を身に着けさせやすくなります。
作業をするスペースとしても使いたい
土間は水で洗い流せるので、室内では汚れが気になってできない作業をするスペースとしても活用できます。サーフボードやロードバイクのお手入れ、鉢の植え替え作業、プラモデルの塗装など、目的の作業がしやすい作業台や、作業に必要な用品にサイズと量に合わせた棚などを設けると、靴やコートの収納以外に、作業をする小部屋としても使えます。
外出準備をするスペースにしたい
内部の棚やパイプハンガーに加えて、姿見を置いておき、内部の床を半分土間にすると外出準備ができるシューズクローゼットになります。
玄関のクローゼットの広さと内部の造り方
玄関のクローゼットの広さは土間を設ける目的と収納する物の種類やサイズ、量に合わせて広さを決めていきます。
玄関のクローゼットの広さ
収納する物は、具体的に細かくリストアップしておきましょう。また、子育て中の場合、子どもは成長すると部活や習い事の用品が増える可能性があります。その為、将来の暮らしの変化も含めて、必要な広さを割り出すことが大事です。
内部の棚の造り方
収納の内部は棚の造り方によって、使いやすくもなり使い難くもなります。収納する物のサイズに合わせて、棚の高さ、奥行き、幅を決める、収納ボックスを使う場合は収納ボックスを出し入れしやすい位置に棚を設けるというように計画を進めていきましょう。
就学前の子どもがいるご家庭では、リビングで遊ばせることが多いので、子どもがおもちゃを自分で片づけやすい位置に、子ども用の棚や収納ボックス置き場を作っておくと、自分でお片付けをする習慣が身に付きます。
また、鍵を置いたり、スマホの充電器を置いたりする浅い棚を設ける壁には、コンセントがあると便利です。棚は造作してもらえるので、サイズや奥行きを明確にしておきましょう。
出入り口の造り方
扉や引き戸、折戸をつける方法と、扉をつけない方法があります。扉は、引いて開けるようにすると、収納の前方に、押して開けるようにすると内部にスペースが必要です。両手に荷物を抱えているとドアを押さえていられないので通行しにくい、収納の内部に物を置けないスペースが生じるなどの不便さがあります。引き戸にはその不便さはないのですが、戸を引き込めるだけの壁が必要です。折戸は折りたためるので、扉や引き戸ほどスペース上の制限がありません。
その為、間取りを決めていく上で、扉をつけたとしても使い難そうではあるが、引き戸をつけられるだけの壁がないという場合には、出入り口に何も設けないという方法にすることもあります。この方法の良い所は、スペースの制限がないことと、窓が設けられなかったとしても、風が通ることです。目隠し対策としては垂れ壁にする、ロールカーテンをつけるなどの方法があります。
湿度対策
シューズクローゼットは、濡れた傘を持ち込んだり、濡れた靴のまま立ち入ったりすることがあるので、湿度が高くなりやすい場所です。特に、湿度が高い状態が続く季節には、カビや嫌なニオイが発生してしまう恐れがあります。その為、壁に調湿性の高い建材を使うなどの工夫が必要ですが、窓が最も効率よく収納内部の換気を良くします。
間取りの関係上、窓を設けられない場合には、出入り口の上部に風を通せる格子タイプの欄間を設ける、ウォークスルータイプの収納にするなどの方法で、湿度対策をすることが大切です。
参考サイト DAIKIN 上手な換気の方法~住宅編~
陽射しを採り入れる
シューズクローゼットは長時間を過ごす場所ではありませんが、作業をするスペースとしても使いたい場合には、明るさが必要です。窓が設けられれば、晴れた日の昼間は照明を点けなくてもスムーズに作業ができることに加えて、光熱費の節約にも繋がります。
また、外出準備をするスペースとしても使いたい場合には、自然光の下で服の取り合わせやメイクの色合いのチェックができるので、外に出た時との誤差が少ないという良さもあります。
参考サイト 分光分布が示すLED照明と自然光の違い
玄関のクローゼットは家の中を片づけやすくする便利な収納ですが、広さの決める際には、家全体の床面積とのバランスを考えることが大切です。内部の造り方で、同じ面積でも収納力が変わります。単に広くすることだけを考えず、内部の造り方について十分に検討しましょう。
コラム 注文住宅の玄関の広さの決め方やおすすめしたい収納
蓮見工務店の家づくりへの想い
私たち蓮見工務店は、「工務店」+「設計事務所」ならではの
手作りの家づくりときめ細かいアフターメンテナンス、
そして設計事務所として培ってきた
デザイン性、高性能な家を提供させていただきます。
「熱を集め、移し、蓄える」
「風を通し、涼を採り、熱を排出する」
「直接的な日射を避ける」 「断熱・気密性を高める」
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今まで多くの雑誌にも掲載していただきました。
快適で心地よい暮らしは、設計、性能、見た目のデザインなど、
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