無垢材インテリアで持続可能な住まいに。メリットや方法・補助金について解説
突然ですが、住宅のインテリアを検討する際に、皆さんは何を重視しますか?
カラーや形、質感など、こだわるポイントは様々でしょう。
その中でも、「ナチュラルで温もりのある家にしたい」という方におすすめなのが「無垢材」です。
そこで、今回は「無垢材」を取り入れたインテリアのメリットやポイントについてお話しします。
併せて関連する補助金も紹介しますので、お住まいのインテリアデザインをご検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
・無垢材を取り入れる際には、注意点も十分理解し、キズや汚れなども“味わい”として受け入れる気持ちが大切です。
・私たち“蓮見工務店 + 蓮見建築設計事務所”は、「手作りの家づくり」をモットーに、設計事務所として培ったデザイン性と技術力を活かして、高性能な住まいを提供させて頂いております。
目次
- 無垢材インテリアの普及は国が推進している取り組み
- 無垢材インテリアのメリットとは?
- インテリアに無垢材を取り入れる時の注意点・デメリット
- 無垢材をインテリアに取り入れる方法は?おすすめのデザインは?
- 地産材・地域材を使えば補助金対象となる場合も
- 無垢材を取り入れた住宅デザインは実績のある工務店・設計事務所に
- 蓮見工務店の家づくりへの思い
無垢材インテリアの普及は国が推進している取り組み
日本は国土の約2/3を森林が占める世界でも有数の森林大国です。
その約40%が人工林であるのも特徴で、杉や桧など建築資材としても活用される樹木が多く生息しています。
実は、これら森林を維持するためには、木々の伐採・植林を繰り返す“循環サイクル”が重要とされています。
木材は、先人たちが植えて育てた森林から収穫(伐採)し、建築用材等として利用することによって、その販売収益を用いて伐採跡地に次の森林を植えて育てることができ、さらに将来の世代がその森林から木材を収穫(伐採)し利用することができる。
この「植える→育てる→使う→植える」というサイクル(森林資源の循環利用)を推進することで、適切な森林整備が確保されるとともに、将来にわたる木材の利用が可能となる。
(引用:林野庁|森林資源の循環利用を担う木材産業)
森林の循環は、樹木を含む豊かな生態系のサイクルを生み出すだけではなく、高齢化や人員不足の深刻な林業・製材業や、地域経済の活性化をもたらします。
また、森林の活性化は二酸化炭素の吸収や、化石燃料の使用量削減をもたらすなど、昨今問題視されている地球温暖化などの環境問題解決にもつながることが期待されているのです。
これらのことを背景に、2010年には「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が制定され、2021年には「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律(通称:都市(まち)の木造化推進法)」へと生まれ変わり、建築物全般に対して“木材の積極的利用”を促しています。
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無垢材インテリアのメリットとは?
内装に木材を取り入れるケースが増えているのは、何も政府の取り組みだけが理由ではありません。
インテリアに木材、特に無垢材を取り入れることは、私たちの生活に様々なメリットをもたらしてくれます。
ここでは、心理面や情緒面・身体面・社会的環境的の4つの視点で、それぞれ詳しく見ていきましょう。
心理面・情緒面のメリット
木材を多く取り入れた空間は、人々に心地よさや安らぎをもたらします。
文部科学省が行った研究によると、立地条件・規模・構造がほぼ同じである内装木質化した小学校とそうでない小学校に通う子どもたちのストレス反応を比較した際に、「やる気」や「集中」などの項目において、非木質化校の子どもが反応を訴える割合が高いというデータが出ました。
また、同研究では、内装を木質化した教室の方が「広々と感じる」「集中できる」と回答した子どもが多く、木材が心理面などに与える効果は決して少なくないと言えるでしょう。(参考:文部科学省|木材利用の意義と効果)
さらに、杉や桧などの無垢材から放たれる“木の香り”は、脳活動と自律神経活動を穏やかにすることも分かっており、リラックス効果が得られます。(参考:林野庁|木材は人にやさしい)
木の香りによる癒やしの効果は、その成分であるいわゆる「フィトンチッド」によるものと考えられています。次のグラフは木の香り成分(フィトンチッド)が心身に及ぼす影響を調べた実験結果です。血圧が下がり、脈拍も落ち着き、身体的ストレスや精神的ストレスを感じた時に分泌されるコルチゾールの濃度も下がっています。
(引用:森林・林業学習館|木の癒し効果)
身体面のメリット
木の固すぎず柔らかすぎない質感や、マットなテクスチャーは、私たちの身体へのメリットも持ち合わせています。
● 足腰の負担軽減や家庭内事故の防止
木の床は、足腰への負担を軽減するだけではなく、転倒・衝突時の怪我なども防ぎます。
実際に、木材とその他の建材の衝撃吸収力を比較してみると、木材の値が高いことが分かります。
その理由は、木材にたくさんの細かな空洞があるからです。
● 目の負担軽減
木材、特に無塗装の無垢材は、紫外線をよく吸収するため、反射光にほどんど紫外線が含まれません。
そのため、目への負担を軽減し、疲れを和らげてくれるのです。
空間的メリット
木材をインテリアに取り入れることは、その空間の価値を高める点でもメリットがあります。
● ダニの抑制
木の香りは、ダニの繁殖を抑制することが分かっています。(参考:一般財団法人 日本木材総合情報センター)
そのため、小さいお子さんやペットのいるご家庭で化学物質を使った殺ダニ剤を使うことに抵抗がある方も、無垢材なら安心してご採用いただけます。
● 抗菌・抗ウイルス作用
桧には、抗菌性を持つカジノールなどの物質が含まれており、カビ類やブドウ球菌、大腸菌などの細菌類に対し、効果を発揮するという研究結果が発表されています。(参考:一般財団法人 日本木材総合情報センター)
また、文部科学省の調査によると、内装に木を多く使用した校舎の場合はインフルエンザによる学級閉鎖の割合が低いという結果も出ています。(参考:文部科学省|木の学校づくり)
そのため、老人ホームや病院などにも多く取り入れられています。
● 調湿効果
木は、水分を行き届かせるためにたくさんの空洞のある構造となっており、伐採したての木材はその空洞にたくさんの水分を含んでいます。
しかし、建築用製材やフローリングとして使われるまでには含水率15%程度にまで乾燥させるため、インテリアに取り入れた後もその空洞に湿気を抱え込むことができるのです。
また、逆に乾燥時には抱え込んだ湿気を空中に放出します。
実際に、住宅に多く取り入れられるビニルクロスなどと比べても、その調湿効果は歴然です。
社会的・環境的メリット
先ほどもお話しした通り、木材の積極的利用は「森林循環」、ひいては「環境問題解決」に寄与できます。
特に、生息地を限定した国産材や地域材の利用は、運搬時に使う化石燃料の使用量や二酸化炭素排出量を大幅に削減できるだけではなく、地域経済の活性化ももたらすため、官民で協力してその推進を図っています。
その取り組みが功を奏して、木材の自給率は上昇傾向にあり、2021(令和3)年には41.1%まで達しました。(参考:林野庁|令和3年木材需給表)
「たった40%程度」と感じる方もいるかもしれませんが、2017年には36.2%だったのと比べると、大幅に上昇していることが分かります。
インテリアに無垢材を取り入れる時の注意点・デメリット
無垢材のもたらすメリットは多方面に及びますが、ご自宅のインテリアに取り入れる際に事前に知っておくべきデメリットや注意点もあります。
今から紹介するポイントも十分理解して、無垢材を取り入れてみましょう。
- 伸縮・反り・歪みなどの変形がある
- 日焼けによって変色する
- 水に弱く、シミになりやすい
- キズや汚れがつきやすい
- お手入れに手間とコストがかかる
- 希少樹種は価格が高い
水シミやキズ、汚れ、メンテナンス手間の対策として表面をコーティングする方法もありますが、やはり人工的な素材と比べると、どうしても経年変化が気になるという方も多いでしょう。
無垢材をインテリアに取り入れる際に最も意識しなくてはいけないことは、「使っていくうちの変化は“味わい”や“愛着”として受け入れる」という点です。
無垢材は、家族の成長や変化と一緒に時を刻むことができます。
変色やキズ・汚れも家族が生活してきた歴史と捉えることができれば、きっと愛着の湧く住まいになるはずです。
無垢材をインテリアに取り入れる方法は?おすすめのデザインは?
では、無垢材をインテリアにどのように取り入れれば良いのでしょうか。
ここでは、私たち“蓮見工務店”がおすすめする6つの方法を紹介します。
無垢床材(フローリング)
最もオーソドックスな方法で、様々なメーカーが多種多様な樹種の無垢フローリングを販売しています。
かつては「無垢フローリングだと床暖房に対応できない」と認識されていましたが、最近は熱加工によって床暖房使用の環境下でも安定した品質を確保できる商品もあり、抗菌・抗ウイルス性などの機能付き床材も増えています。
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既製家具
市販の既製家具にも、無垢材を使っているものは多数あります。
定期的に模様替えしたい方は、これらの置き家具を購入してみましょう。
ただし、インテリアのトータルコーディネイトにこだわる方には、床材などと木目やカラーが合わせられる造作家具がおすすめです。
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造作家具
その住宅や置き場所に合わせてイチから設計・施工するオーダーメイドの造作家具は、サイズだけではなく材料も全て選べます。
そのため、お好みの樹種から製作することも可能ですし、塗装の有無や棚の仕様など、使い勝手に合わせてプランニングできる点がメリットです。
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壁材・天井材
最近、板張り壁や板張り天井の人気が再燃しており、アクセントとして部分的に取り入れる事例が増えています。
高級感やオリジナリティをプラスできるだけではなく、フローリングと合わせて統一感のあるインテリアデザインに仕上げることができます。
“板張り”と聞くと和室を連想する方も多いかもしれませんが、あえて白を基調としてシンプルにまとめたインテリアと、板張り天井・板張り壁の相性は抜群です。
フラットなパネル材だけではなく、凹凸のあるリブパネルも人気です。
格子・スリット
緩やかに空間を区切ることができる格子やスリットは、狭いスペースでも圧迫感を出さずに視線を遮ることができます。
階段脇やちょっとしたパーテーションとして活用するケースも多く、光や風は通しつつも目隠しできる方法として人気です。
地域材・地産材を使えば補助金対象となる場合も
無垢材は、温もりの感じられる素材ですが、決して安価な材料とは言えません。
しかし、産地を限定した地域材(地産材)を使うことで、補助金の対象となる場合もあります。
私たち“蓮見工務店+蓮見建築設計事務所”のある埼玉県では、県産木材を使って家や事務所を建てる方に対して、建築費用の一部を補助する取り組みが行われています。
埼玉県以外の都道府県でも行っているところもありますので、無垢材、特に地域材を住まいに取り入れたいという方は、ぜひ参考にしてください。
地域材を使うメリットは、地域経済への貢献だけではなく、その土地の気候風土に合っているという点や、地元愛・思い入れの詰まった家にできるという点です。
ぜひ、あなたもお住まいに地域材を取り入れてみてください。
埼玉県内で地域に根付く家を建てたいという方は、ぜひお気軽にご相談ください。
無垢材を取り入れた住宅デザインは実績のある工務店・設計事務所に
”快適な住まい”の実現は、設計事務所の設計力だけでも工務店の施工力だけでも叶いません。
その両方の知識と経験を持ち合わせている会社に相談するのがベストです。
“無垢材をインテリアに取り入れた住宅”にしたいという方は、丁寧に要望に耳を傾け、専門的な知識を踏まえたプランを提案してくれる設計者や施工会社に相談しましょう。
「蓮見工務店」は、設計事務所としての経験や知識を踏まえ、お客様に心から安心していただける住まいづくりを徹底しております。
また、常に最新技術にも目を向け、その時に出来うる限りのご提案をさせていただきます。
私たちが“年間限定6棟宣言”をしているのは、お客様ひとりひとりと真正面に向き合っていたいから。
デザインと性能、快適さの全てを持ち合わせた家を埼玉県で建てたい方・リフォームしたい方は、ぜひ「蓮見工務店」までお問合せください。
蓮見工務店の家づくりへの想い
私たち蓮見工務店は、「工務店」+「設計事務所」ならではの手作りの家づくりときめ細かいアフターメンテナンス、そして設計事務所として培ってきたデザイン性、高性能な家を提供させていただきます。
「熱を集め、移し、蓄える」
「風を通し、涼を採り、熱を排出する」
「直接的な日射を避ける」
「断熱・気密性を高める」
などのパッシブデザインも積極的に取り入れ、今まで多くの雑誌にも掲載していただきました。
快適で心地よい暮らしは、設計、性能、見た目のデザインなど、全てのバランスで実現できます。
そして、経験豊富な職人の手によってカタチになるのです。私たち蓮見工務店は、それらすべてにこだわり、お客様の一棟に全力をそそいでまいります。
注文住宅やリフォーム、リノベーション、店舗などの建築をご検討中の方には、これまでに携わったお宅をご見学していただけます。
「木造住宅の視覚的な心地よさ、木にしか出せない香り、温かみのある手触り」や「木の心地よさと併せて太陽の光などを取り入れた、パッシブデザインの良さ」を感じて頂けます。
ご希望などございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。