“オープンキッチン”の後悔理由11選とその解決方法|キッチン種類やメリット・デメリットも
ご自宅の新築・リノベーションを計画している方の中には、「オープンキッチン」に興味がある方も多いでしょう。
ところが、SNSやブログを見ると、実際にオープンキッチンを使ってみて後悔している方もいます。
そこで、今回はトレンドのオープンキッチンを後悔する理由とその解決方法を建築士が詳しく解説します。
キッチンの種類や、壁付けキッチン・クローズドキッチンとの比較ポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
● オープンキッチンを採用する場合は、あらかじめ注意点を把握しておくことが重要です。
● 私たち“蓮見工務店 + 蓮見建築設計事務所”は、「手作りの家」をモットーに、お客様のご要望を叶えた住宅を数多く手がけた実績があります。
目次
- 2023年もトレンドだったオープンキッチン|特徴とメリット
- SNS・ブログで見るオープンキッチンを後悔した理由と解決方法|片付け・臭い
- オープンキッチンの種類とそれぞれのメリット・デメリット
- 壁付けキッチンやクローズドキッチンも選択肢に
- 快適なキッチンのある家の新築・リノベーションは実績のある工務店・設計事務所に
- 蓮見工務店の家づくりへの想い
2023年もトレンドだったオープンキッチン|特徴とメリット
「オープンキッチン」とは、隣接するダイニングやリビングとの間に間仕切り壁がなく、空間が一体となっているスタイルです。
吊り戸棚なしの対面キッチンを設置して、カップボード側までオープンにする事例が増えています。
壁付けで扉のないオープン棚も人気で、住宅事例を見ると、必ずと言っていいほど見かけるでしょう。
これほどまでにオープンキッチンの採用事例が増えている理由は、いくつものメリットがあるからです。
- 間仕切り壁を立てないので、キッチン側からもリビングダイニング側からも開放的
- リビングダイニングとの間にドアなど境となるものがないため、床掃除が楽
- 家族の様子を確認したり会話を楽しんだりしながら料理できる
- 配膳や後片付けをカウンター越しにできて動作がコンパクトになる
- デザイン性を重視したシステムキッチンや設備機器、キッチン家電が増えていることから、オープンにして見せることで“インテリアデザインの一要素”となる
特に、家族とのコミュニケーションが取りやすくなる点と、開放的な印象のLDKになる点を重視する方が多く、オープンキッチンの採用事例が増えています。
SNS・ブログで見るオープンキッチンを後悔した理由と解決方法|片付け・臭い
人気のオープンキッチンがあるLDKですが、実際に住み始めてみて予想していなかった点に気が付く方もいます。
そこで、SNSやブログで見られる「オープンキッチンを後悔した理由」とその解決方法を紹介します。
- 調理音が気になる
- 油ハネ・水ハネが気になる
- 匂い・油煙が広がる
- 生活感が出やすい・収納が足りない
- 急な来客の時に慌てる
- キッチンスペースが狭い
- ダイニングテーブルの配置が難しい
- ベビーゲートを設置しにくい
- ペット(猫など)が侵入してくる
- 冷蔵庫の中身がリビングから丸見え
- キッチンカウンターでは狭くて食事しづらい
では、それぞれ詳しく見てみましょう。
調理音が気になる
実際にお客様にオープンキッチンの感想を見ると、こちらが最も多い懸念点のようです。
リビングでご家族がくつろいでいると、調理音が気になってしまう方が多く、リビング学習や、リモートワークのスペースがある間取りでは、特に注意しなくてはならず、ストレスを感じてしまうかもしれません。
オープンキッチンで調理音を防ぐためには、物理的に距離を離すしかないため、場合によってはオープンキッチン以外のスタイルを選んだ方がいいかもしれません。
油ハネ・水ハネが気になる
オープンキッチンの中でも特に開放的なフルフラットキッチンは、作業スペースからダイニング側までカウンターが見通せます。
1〜2人であれば食事を取るスペースも確保でき、すっきりとした印象なので、デザイン性を重視する方からも人気です。
ところが、実際に使ってみると、調理中の油ハネや水ハネが広範囲にまで飛び散ってしまいます。
特に油汚れは放置すると埃がついて目立つしまうため、「こまめに掃除しなくてはいけなくなった」という方も少なくありません。
手元だけをカバーする高さ20cm程度のタイプと、キッチンフード下までフルカバーできるタイプがあります。
匂い・油煙が広がる
調理中に、料理の匂いや油を含んだ空気がリビングダイニングに広がり、家具などに匂いが染み付かないか心配という方も多数います。
キッチンとリビングダイニングの間に壁やドアがあれば、匂い分子が広がるのを防げますが、開放的なキッチンですとそうもいきません。
特にダクト接続による換気の場合は、換気風量ばかりでなく静圧(空気を送り出す力)の影響が大きいので注意したいところです。
また、お掃除機能に加えて、オープンキッチンの場合はデザインも大切な要素となります。
性能と使い勝手、デザインのバランスが選択の決め手となります。
さらに高気密住宅の場合、給気量の不足が換気性能に大きな影響を及ぼしますので、レンジフードを作動させる際は必ず給気口を開放する点に気をつけなくてはいけません。
レンジフードを同時給排気型にすれば、吸い込み不良を防げてより確実に気になる匂いや油煙を逃せます。
生活感が出やすい・収納が足りない
開放感やデザイン性を追求して、収納スペースが足りなくなってしまうケースも少なくありません。
また、手元まで見えるキッチンですと、調味料や調理器具、食品などちょっとしたものでもカウンターに置いたままにすると、一気に生活感が気になります。
L型のキッチンは一見カウンター下の収納が多く感じますが、角の部分は収納しづらいので注意しましょう。
人気のオープン棚をバランスよく見せるためには、隙間を開けて物をレイアウトすることを意識しなくてはいけません。
そのため、結果的に雑多な印象のキッチンになるケースも多いのです。
また、プランの計画段階から収納したいもののボリュームを把握しておくことも肝心です。
常温で保存できるものや、たまにしか使わない食器類などは、床下収納庫へしまうのもおすすめです。
床下収納庫は、床下点検口や定期的に行う防蟻工事の作業口としても活用できます。
ただし、床下エアコンを採用する場合は、床下が室温よりも高くなるため、注意してください。
急な来客の時に慌てる
開放的ということは、その分キッチン内部がリビングダイニング側から見えやすいということです。
そのため、急な来客の際に片付けが間に合わず焦ってしまう方もいます。
また、リビングスペースとキッチンを真正面に配置しないレイアウトにすると、たとえキッチン内部が丸見えでも、来客者の視界に入りにくくなります。
キッチンスペースが狭い
対面型キッチンを採用する場合、キッチン台の他にカップボードも配置しなくてはいけません。
キッチンの奥行きが55〜65cm程度、カップボードが45cm程度で、その間に人が立つためのスペースが最低でも70cmは必要です。
将来、車椅子を利用することを想定すると、作業スペースは幅150cm確保した方が良いでしょう。(参考:国土交通省|基本寸法)
また、コンロ側とシンク側が分かれているセパレートキッチンですと、もっと場所をとりますし、周りを回遊できるアイランドキッチンは四方に人が通れる空間がなくてはいけません。
最小限の通り道にすると、大型冷蔵庫が搬入できなかったり、冷蔵庫のドアが全開できなっかりするケースもあります。
オープンキッチンにこだわりすぎず、スペースの広さに合わせたキッチンスタイルを選ぶことも重要です。
ダイニングテーブルの配置が難しい
広々としたLDKであれはダイニングテーブルのレイアウトパターンがいくつもありますが、スペースが限られているとそうもいきません。
いざ引っ越し準備をして、「ダイニングテーブルの置き場に困った」「ダイニングテーブルを小さくせざるを得なかった」という方もいます。
人がスムーズにテーブルまでアクセスできるかどうかもチェックポイントです。
スペースに限りがある場合は、空間に合わせてオーダーメイドできる造作家具がおすすめです。
べビーゲートを設置しにくい
小さいお子さんがいるご家庭でよくあるのが、「ベビーゲートがつけられない」というお悩みです。
アイランドキッチンなど周りが回遊できるキッチンは、ベビーゲートがうまく設置できません。
一時のことといっても、怪我や事故があっては大変ですよね。
そのため、細心の注意を払いながら料理しなくてはならず、ストレスを感じてしまう方もいます。
上写真のように、小上がりの畳スペースを作ると小さなお子さんでも気持ちよく床で遊べますし、おむつ替えスペースやお昼寝スペースとしても便利です。
ペットがキッチンに侵入してくる
猫を飼っているご家庭でよくあるのが、キッチンの上に登ってきてイタズラしてしまうケースです。
- コンロの火で火傷する
- オーブン・電子レンジや、炊飯器の湯気で火傷する
- 熱いスープの入った鍋をひっくり返して火傷する
- ガスコンロのスイッチに手足をかけて着火してしまい火傷する
- 包丁に触って怪我をする
- 食洗機に入って怪我をする
- 誤飲や誤食してしまう
オープンキッチンの場合、ペットの種類によってはこれらの事故はゲートをつけても防ぎきれません。
ただし、火が出ないため上昇気流が発生せず、湯気や匂いが広がりやすい点には注意してください。
収納扉はペットが開けにくいスライドタイプやチャイルドロック付きの開き扉タイプがおすすめです。
オープン棚はペットが登りやすいため、壊れやすいものを置かないように気をつけましょう。
調理器具や食品、洗剤などは出来るだけ全てしまえるように、十分な収納スペースを備えることも重要です。
冷蔵庫の中身がリビングから丸見え
「収納をたくさん作ったからリビングからキッチンが見えても安心」と思っていても、忘れがちなのが冷蔵庫です。
来客時にリビングから冷蔵庫を開けると中身が丸見えになって気になる方もいます。
冷蔵庫を横向きにレイアウトすると、開けた時にも視線が気になりません。
冷蔵庫は扉にも収納スペースがあるため、リビングの視線と扉の開き勝手もチェックしてください。
パントリーを広くして冷蔵庫を入れる方法もありますが、その場合は調理中の動線を十分シミュレーションすることが重要です。
キッチンカウンターでは狭くて食事しづらい
ダイニングテーブルを置かずに、フルフラットキッチンのカウンターで食事をとることを想定する方も多いでしょう。
しかし、実際に使ってみると、「狭くて食事しづらい」というケースもあります。
ショールームでキッチンをみるとカウンターは広く見えますが、実際に住み始めると、カウンター上に物が増えて手狭になってしまうかもしれません。
食事する人数 | 食事するのに必要な最小面積 |
---|---|
1人 | 幅60〜80cm・奥行き40cm |
2人 | 幅120〜160cm・奥行き40cm |
3人 | 幅180〜200cm・奥行き40cm |
また、キッチンに立って作業しやすいカウンター高さと、食事しやすいダイニングテーブルの高さは異な理ますので注意しましょう。
カウンター高さの問題を解決したい方は、キッチン側の床レベルを下げる方法をご検討ください。
キッチンを土間にすると、勝手口からダイレクトにアクセスしやすく、床の汚れが気にならないなどのメリットがあります。
オープンキッチンの種類とそれぞれのメリット・デメリット
オープンキッチンに採用されるキッチンには、いくつかの種類があります。
それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なりますので、イメージに合うタイプを選びましょう。
【アイランドキッチン】
外周を一周できるため、どこからでもアクセスしやすく、複数人で料理を楽しめます。
また、朝など家族の動線が集中する時間帯でも、1人は朝食の準備をして、もう1人は冷蔵庫を開けるなど、異なる動作が重複するシーンでもストレスを軽減できます。
ただし、外周に人が通れるスペースを確保しなくてはならず、複数人でキッチンに立つことを想定すると、広いスペースが必要です。
また、水ハネ・油ハネへの対策も欠かせません。
【ペニンシュラキッチン】
“半島”の意味を持つペニンシュラキッチンは、オープンキッチンによく採用されます。
加熱調理スペースを壁につけることで、油ハネを軽減できます。
ただし、壁側を行き止まりにすると動線が非効率になりがちで、キッチン内部が狭く使いづらくなることも多いため注意しましょう。
【セパレートキッチン】
コンロ側とシンク側が分かれているタイプで、間口の狭いスペースでも対面キッチンにできます。
また、調理と皿洗いを分担しやすい点も人気のポイントです。
ただし、複数人でキッチンに立つ場合は間のスペースを広めにしなくてはいけませんし、作業中に振り返ることが増える点には注意してください。
【L型・U型キッチン】
L型キッチンやU型キッチンは、キッチンで斜め移動できるため作業が効率的になる点がメリットです。
ただし、広めのキッチンスペースが必要な上に、隅部分がデッドスペースになりやすく、「カウンター長さ=作業スペース・収納スペース」とはなりません。
そのため、どのように使うのかを十分イメージしてから採用しましょう。
壁付けキッチンやクローズドキッチンも選択肢に
人気のオープンキッチンですが、全ての住宅に適しているとは限りません。
間取りによっては、壁付けキッチンや間仕切り壁で区切られているクローズドキッチンの方が使いやすいケースもあるのです。
キッチンのスタイルを選ぶ際には、ライフスタイルや生活ルーティーンを振り返り、建築士と十分相談しながら決めましょう。
オープンキッチンがおすすめ | ・人と会話しながら料理したい ・お子さんの様子を見ながら料理したい ・複数人で分担しながら料理したい ・ホームパーティを楽しみたい ・お気に入りの食器などをリビング側から見えるように飾りたい ・モデルハウスのような生活感のないキッチンにしたい |
壁付けキッチン クローズドキッチンがおすすめ | ・こまめな掃除はしたくない ・集中して料理したい ・ペットや子供には出来るだけキッチンに入って欲しくない ・限られたスペースをリビングダイニングに充てたい ・調理器具などを出したままにしたい |
快適なキッチンのある家の新築・リノベーションは実績のある工務店・設計事務所に
後悔のない住まいづくりを実現させるためには、4つの要素を備える建設会社へ相談することがポイントです。
- 長寿命で高耐久な構造計画
- 機能的で無駄のない動線を踏まえた間取り計画
- 温もりや居心地の良さを感じられる内装デザイン
- 住む人の健康を維持するための材料・設備選び
その全てを兼ね備えた住宅づくりは、設計事務所の設計力だけでも工務店の施工力だけでも叶いません。
「長く安心して住み続けられる住宅にしたい」という方は、丁寧に要望に耳を傾け、専門的な知識を踏まえたプランを提案してくれる設計者や施工会社に相談しましょう。
私たち蓮見工務店は、設計事務所としての経験や知識を踏まえ、お客様に心から安心していただける住まいづくりを徹底しております。
また、常に最新技術にも目を向け、その時に出来うる限りのご提案させていただきます。
私たちが“年間限定6棟宣言”をしているのは、お客様ひとりひとりと真正面に向き合っていきたいから。
デザインと性能、快適さの全てを持ち合わせた家を埼玉県で建てたい方・リフォームしたい方は、ぜひ「蓮見工務店」までお問合せください。
蓮見工務店の家づくりへの想い
私たち蓮見工務店は、「工務店」+「設計事務所」ならではの手作りの家づくりときめ細かいアフターメンテナンス、そして設計事務所として培ってきたデザイン性、高性能な家を提供させていただきます。
「熱を集め、移し、蓄える」
「風を通し、涼を採り、熱を排出する」
「直接的な日射を避ける」
「断熱・気密性を高める」
などのパッシブデザインも積極的に取り入れ、今まで多くの雑誌にも掲載していただきました。
快適で心地よい暮らしは、設計、性能、見た目のデザインなど、全てのバランスで実現できます。
そして、経験豊富な職人の手によってカタチになるのです。
私たち蓮見工務店は、それらすべてにこだわり、お客様の一棟に全力を注いでまいります。
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ぜひ、お気軽にお問い合わせ下さい。