【建築士解説】人気の“アウトドアリビング”は本当に快適なのか?後悔事例とその対策
最近、新築住宅で増えているのが「アウトドアリビング」のある家です。
天気のいい日にウッドデッキでのんびり過ごす時間を思い描く方も多いでしょう。
ところが、SNSやブログをみると、アウトドアリビングのある家を建てたものの、住み始めて“後悔した・失敗した”と感じている方もいます。
そこで、今回はアウトドアリビングのメリットから実際によくある後悔理由についてまで、建築士が解説します。
マイホームの新築やリノベーションを後悔しないための対策ポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
● アウトドアリビングを後悔しないためには、注意点とその対策方法を知っておくことが重要です。
● 私たち“蓮見工務店 + 蓮見建築設計事務所”は、「手作りの家」をモットーに、お客様のご要望を叶えた住宅を数多く手がけてきた実績があります。
目次
- アウトドアリビングが人気な理由|メリットと活用方法
- 【SNS・ブログで見る】アウトドアリビングを後悔した13の理由と解決方法|コスト・屋根・目隠し・虫・家具・後付け
- 【施工事例】アウトドアリビングのある家
- アウトドアリビングを楽しめる家の新築・リノベーションは実績のある工務店・設計事務所に
- 蓮見工務店の家づくりへの想い
アウトドアリビングが人気な理由|メリットと活用方法
「アウトドアリビング」とは、室内のリビングと連続する位置に作るウッドデッキやポーチを指します。
“第二のリビング(セカンドリビング)”として捉えられることが多く、アウトドア空間でくつろぎたい方に人気です。
アウトドアリビングを作る事例が増えている理由として、主に8つのメリットが挙げられます。
- 室内リビングに開放感をプラスできる
- 自宅にいながら気軽にBBQなどを楽しめる
- 子供の安全な遊び場やペットの居場所として活用できる
- 布団や大きな洗濯物の干し場として活用できる
- アウトドア用品のお手入れ場所やDIYの作業場として活用できる
- 更地の状態よりも雑草の手入れが楽
- 天気のいい日のは客間として利用できる
- 外観の見栄えが良くなる
このような理由から都心部・郊外問わず、アウトドアリビングを作りたいという要望が増えています。
【SNS・ブログで見る】アウトドアリビングを後悔した13の理由と解決方法|コスト・屋根・目隠し・虫・家具・後付け
「家を建てるならアウトドアリビング付きがいい」というご要望も多いですが、実際に住み始めてから気が付く注意点もあります。
そこで、SNSやブログから「アウトドアリビングを後悔した理由」とその対策ポイントを紹介します。
- 初期コストが高い
- メンテナンス手間や維持費がかかる
- 建蔽率・容積率に算入されて、室内が狭くなった
- 夏は暑くていられない
- 冬は寒い
- 周りからの視線が気になる
- 屋根をつけたら室内が暗くなった
- BBQ用品や外遊びのおもちゃなどをしまう場所がない
- 蚊などの虫が気になってくつろげない
- 後付けしたら室内との段差があって行き来が不便
- 家具を置いたら使い勝手が悪くなった
- BBQグリルやピザ窯、薪ストーブがすぐに設置できなかった
- 子供やペットが汚れたままリビングに入って嫌
- 思ったより「使わない」
では、それぞれ詳しく解説します。
初期コストが高い
アウトドアリビングを作るということは、ウッドデッキ造作費用など、住宅の本体工事とは別にエクステリア工事が必要になるということです。
ウッドデッキですと、最低でも2〜5万円/㎡程度のコストがかかりますし、そのほか目隠し用のフェンスや日除け用バーゴラ、庭から上がるステップ、造作ベンチなど、こだわればこだわるほど費用がかかります。
そのため、費用をかけて“夢のアウトドアリビング”を作ったものの、後からあまりコスパを感じられず後悔してしまう方もいるのです。
ただし、予算に合わせて材料やプランを調節できるため、概算計画の段階で「どこまでの費用をかけられるのか」を明確にしておきましょう。
初期費用の予算で収まりきらない場合は、後付けした場合の見積もりも提案してもらうことをおすすめします。
メンテンス手間や維持費がかかる
初期費用は予算内で収まったものの、後からかかるメンテナンス手間や維持費が気になるという方も少なくありません。
ウッドデッキにした場合、材料によっては、長くても5〜10年に一度は表面の保護塗装をし直さなくてはいけない可能性があります。
DIYで再塗装することもできますが、それでもかなり手間がかかる点は否めません。
タイルやモルタル仕上げでしたら再塗装の手間はかかりませんが、水捌けが悪いと苔や藻が発生してしまうため、定期清掃が必要です。
初期コストは高めですが、再塗装のいらない(もしくは再塗装スパンの長い)人工木材やハードウッドもおすすめです。
建蔽率・容積率に算入されて、室内が狭くなった
「ウッドデッキは建蔽率や容積率に含まれない」という情報は間違いではありませんが、プランによっては当てはまらない可能性があります。
アウトドアリビングが建築面積や床面積に算入されると、建蔽率・容積率の上限を超えないように、その分部屋を狭くせざるを得ません。
建築基準法では、ウッドデッキなどの奥行きや壁・柱・屋根の有無などによって、条件が決められています。
プライバシー性を重視してアウトドアリビングを囲えば囲うほど、建蔽率や容積率に影響する可能性があります。
夏は暑くていられない
「せっかくアウトドアリビングを作ったのに、夏は暑くていられない」そんな後悔をする方もいます。
一般的に、リビングや庭を日当たりのいい南向きにするケースが多く、それに伴ってアウトドアリビングの日当たりも良くなるからです。
暑さが気になるようでは、小さなお子さんやペットの居場所として利用しづらいですし、ご家族でBBQをするのにも不便ですよね。
ウッドデッキの一部が木陰になるような植栽計画を検討するのも良いでしょう。
冬は寒い
夏に暑いだけではなく、「冬は寒くてほとんど使えない」というケースもあります。
日中も周囲の建物もしくはその家自体の影に入ってしまう場合は要注意です。
また、アウトドアリビングが日陰に入らなくても、風が吹き抜けてて寒さが厳しいという可能性も考えられるでしょう。
最近は、煤が出ず着火・消火が簡単な「バイオエタノール暖炉」も人気です。
ただし、アウトドアリビングに暖炉を作る場合は、地域の消防署へ届け出が必要なケースも多いため、建築会社へご相談ください。
周りからの視線が気になる
「アウトドアリビングを作ったが、道路や隣地からの視線が気になってくつろげない」という感想も見かけます。
特に南側に前面道路がある土地や、隣家との距離が近い住宅密集地の場合には注意が必要です。
外部からの視線を遮るためのフェンスを設置することもできますが、1階では十分な広さが確保できない場合や外部からの視線がどうしても気になる場合は、「2階リビング+アウトドアリビング」にする方法もあります。
屋根をつけたら室内が暗くなった
日差し避けとして屋根をつけるケースもありますが、実際住み始めてみると「アウトドアリビングの屋根によって室内に陽の光が届かない」と後悔している方もいるようです。
特に奥行きの深いウッドデッキへ屋根を付けると、せっかくの開放的なリビングが“昼間でも真っ暗”になりかねません。
そのため、可動式のオーニングがおすすめです。
パーゴラは固定された造作物ですが、屋根に隙間があり時間帯によっては室内まで陽の光を取り込めます。
「住んでみて光の具合を見てから対策したい」という方は、後からオーニングやパーゴラを追加できるような下地工事をしておきましょう。
BBQ用品や外遊びのおもちゃなどをしまう場所がない
ラグジュアリーな空間をイメージしてアウトドアリビングを作る方も多いですが、実際にはBBQグリルや外遊び用のおもちゃなどがおきっぱなしになって生活感が出ている家も少なくありません。
来客が多く、室内リビングからよく見えるアウトドアリビングの場合は、要注意です。
玄関との距離が近い場合は、シューズインクローゼットを広めにして、遊具やアウトドア用品をしまえるようにしておくのもおすすめです。
蚊などの虫が気になってくつろげない
アウトドアリビングと虫は切っても切り離せません。
実際に、SNSなどでは「夏にBBQをしようとしても蚊が多くて居心地が悪い」という感想を多く見かけます。
雨ざらしの遊具や植木鉢の受け皿に溜まった水も、一週間に一度は捨てるようにしましょう。
また、アウトドアリビング周辺の地表を防草シートで覆ったり、コンクリート仕上げにして、雑草ができるだけ生えないようにすることも有効です。
(参考:厚生労働省|蚊媒介感染症)
後付けしたら室内との段差があって行き来が不便
「アウトドアリビングを後付けしたい」という方も多いでしょう。
ところが、出来上がったアウトドアリビングと室内との間に大きな段差ができてしまい、行き来が不便というケースもあります。
ただし、後付けの場合は雨水が建物側に流れて外壁を痛めたり窓周りから建物内部へ水が侵入するリスクがあるため、建物との間にスリット(隙間)を設けるなどの工夫が必要です。
場合によっては、火災保険の対象となる雨漏り補修でも、保険金がもらえなくなる可能性もありますので気をつけましょう。
家具を置いたら使い勝手が悪くなった
アウトドアリビングでゆったりくつろぐために、ソファやテーブルを置く方も多いですが、実際に使ってみるとお子さんが遊びづらかったり、BBQの際に邪魔になったりする可能性も考えられます。
造作ベンチや造作テーブルを作る際は、広さと用途を再確認してじっくり検討することがポイントです。
BBQグリルやピザ窯、薪ストーブがすぐに設置できなかった
「アウトドアリビングでBBQやピザ作りを楽しみたい」「薪ストーブの炎を眺めながらゆっくり過ごしたい」という方も多いでしょう。
ところが、実際にBBQグリルやピザ釜、薪ストーブを設置する際には、自治体の火災防止条例に基づいた届け出が必要で、プランや仕様によってはそのままの計画では設置が許可されない可能性もあります。
そのため、プランニングの段階で建築会社と相談の上、地域の消防署へ詳細を確認してください。
(参考:埼玉県央広域事務組合火災予防条例、消防法)
ペットや子供が汚れたままリビングに入って嫌
アウトドアリビングでお子さんやペットが遊んで、そのまま汚れた足で部屋に入ってくるのが気になるという方もいます。
ところが、浴室などが遠いと、どうしても室内の広範囲が汚れてしまうかもしれません。
ペットを洗ったり、ウッドデッキでお子さんをプール遊びさせたりする場合にも便利です。
思ったより「使わない」
究極の後悔理由が「結局あまり使わない」というケースです。
「憧れていたので作ったものの、使っていたのは最初のうちだけだった」という方も少なくないようです。
そのため、プランニングの際に「なぜ必要なのか」「どのように使うのか」をじっくりイメージしましょう。
また、費用とメリットを比較してコストパフォーマンスを再確認することも重要です。
作るかどうか迷ったら、ぜひ建築会社へ相談してください。
【施工事例】アウトドアリビングのある家
“蓮見工務店 + 蓮見建築設計事務所”では、これまでデザイン性・実用性・快適性にこだわったアウトドアリビングのある家をいくつも手がけてきました。
その中の一部を紹介します。
大開口サッシによって室内外の一体感を強く感じる家
こちらは、ウッドデッキをL型のLDKで囲んだ事例です。
4つの掃き出し窓によって、室内外の一体感を強調しました。
床レベルを室内外で揃えたので、小さなお子さんから高齢の方までスムーズに行き来できます。
軒を深めに伸ばしたことで、室内に差し込む日差しを和らげた点もポイントです。
コの字に囲まれたプライベートなアウトドアリビング
こちらは、コの字型に3面を壁で囲まれたアウトドアリビングです。
リビングとの間には4連の掃き出しサッシを採用したので、室内側からの開放感は格別です。
同じくアウトドアリビングに面した和室からもアクセスできるため、天気の良い日にはアウトドアリビングがご家族で集まる場所になるかもしれません。
2階バルコニーもアウトドアリビングに向いているので、まさに家の“中心的スペース”と言えるでしょう。
アウトドアリビングを楽しめる家の新築・リノベーションは実績のある工務店・設計事務所に
後悔のない住まいづくりを実現させるためには、4つの要素を備える建設会社へ相談することがポイントです。
- 長寿命で高耐久な構造計画
- 機能的で無駄のない動線を踏まえた間取り計画
- 温もりや居心地の良さを感じられる内装デザイン
- 住む人の健康を維持するための材料・設備選び
その全てを兼ね備えた住宅づくりは、設計事務所の設計力だけでも工務店の施工力だけでも叶いません。
「長く安心して住み続けられる住宅にしたい」という方は、丁寧に要望に耳を傾け、専門的な知識を踏まえたプランを提案してくれる設計者や施工会社に相談しましょう。
私たち蓮見工務店は、設計事務所としての経験や知識を踏まえ、お客様に心から安心していただける住まいづくりを徹底しております。
また、常に最新技術にも目を向け、その時に出来うる限りのご提案させていただきます。
私たちが“年間限定6棟宣言”をしているのは、お客様ひとりひとりと真正面に向き合っていきたいから。
デザインと性能、快適さの全てを持ち合わせた家を埼玉県で建てたい方・リフォームしたい方は、ぜひ「蓮見工務店」までお問合せください。
蓮見工務店の家づくりへの想い
私たち蓮見工務店は、「工務店」+「設計事務所」ならではの手作りの家づくりときめ細かいアフターメンテナンス、そして設計事務所として培ってきたデザイン性、高性能な家を提供させていただきます。
「熱を集め、移し、蓄える」
「風を通し、涼を採り、熱を排出する」
「直接的な日射を避ける」
「断熱・気密性を高める」
などのパッシブデザインも積極的に取り入れ、今まで多くの雑誌にも掲載していただきました。
快適で心地よい暮らしは、設計、性能、見た目のデザインなど、全てのバランスで実現できます。
そして、経験豊富な職人の手によってカタチになるのです。
私たち蓮見工務店は、それらすべてにこだわり、お客様の一棟に全力を注いでまいります。
注文住宅やリフォーム、リノベーション、店舗などの建築をご検討中の方は、これまでに携わったお宅をご見学ください。
「木造住宅の視覚的な心地よさ、木にしか出せない香り、温かみのある手触り」や「木の心地よさと併せて太陽の光などを取り入れた、パッシブデザインの良さ」を感じて頂けるはずです。
ぜひ、お気軽にお問い合わせ下さい。