【折り下げ天井の家を後悔しない】メリット・デメリットと成功事例で見るデザインのコツ
最近、おしゃれな注文住宅に多く採用されている「折り下げ天井」について、メリット・デメリットやデザインのポイントを紹介します。
天井高さごとの違いや“蓮見工務店”がこれまで手がけた施工事例も紹介しますので、これからマイホームの新築やリノベーション計画を始める方はぜひ最後までご覧ください。
● 折り下げ天井にはメリットとデメリットの両方があるため、事前にそれぞれ知っておきましょう。
● 「蓮見工務店 + 蓮見建築設計事務所」は、“手作りの家”をモットーに折り下げ天井を採用した住宅を手がけています。
目次
折り下げ天井とは|折り上げ天井との違い
「折り下げ天井」とは、仕切りのない空間で一部分だけ天井の高さを下げる設計手法です。
オープンキッチンの上やリビングの一部、和室(オープンな畳の小上がり)、窓際などに採用されています。
同じく部屋の天井高を部分的に変える方法として「折り上げ天井」もありますが、こちらは主に天井の中央を周囲より一段高くする手法で、リビングや玄関などによく取り入れられています。
折り下げ天井のメリット
折り下げ天井の採用事例が多い理由は、メリットにあります。
- 空間デザインのアクセントになる(高さや天井仕上げ材の違い)
- 凝ったインテリアになる
- 高い天井部分の開放感が際立つ
- 間仕切壁を立てなくても一つの空間をいくつかのスペースにゾーニングできる
- 天井の段差に間接照明を仕込める
- 天井の段差内部に排気ダクトなどを隠せる(マンションなどRC造やS造の場合)
- 掃き出し窓に近い天井を一段下げると、窓上に中途半端な壁が現れずすっきり見える
このように、折り下げ天井には主に意匠面でのメリットがあります。
折り下げ天井のデメリット・注意点とその対策
折り下げ天井にはいくつものメリットがある反面、事前に知っておいていただきたいデメリットや注意点があります。
家づくりを失敗しないための対策方法とあわせて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
「工事費用が高くなる」
折り下げ天井を採用した場合と一面が平天井の場合では、主に造作工事や木工事のコストが変わります。
段差部分の造作や間接照明用の配線などで、折り下げ天井にした方が数十万円程度価格が高くなる可能性があるため注意してください。
折り下げ天井にした場合とそうでない場合の両方の見積もりをチェックするのも重要です。
「場所によっては圧迫感が増す」
折り下げ天井にする場所や範囲によっては圧迫感が増す可能性があります。
また、天井が低くなることで自然光が届きにくく暗い印象になるケースもあるため注意しましょう。
一段下げた天井の仕上げを明るい色のクロスや木目にして視覚的に圧迫感を軽減する方法もおすすめです。
「天井の段差を掃除しにくい」
折り下げ天井の段差部分をどのような納まりや仕上げにするのかによって、掃除やメンテナンスのしやすさが変わります。
段差部分を凹まして間接照明をつけると、ホコリが溜まるため注意してください。
間接照明はほとんどがLED電球なので、毎日半日程度つけていても10年以上は電球交換は必要ありません。
電球を長持ちさせたい方は、折り下げ天井に設置する照明をサブにして、別にメイン照明を設置するプランがおすすめです。
折り下げ天井の納まり|天井高さは何センチ
折り下げ天井を設計プランへ取り入れようか迷っている方からよくご質問いただくのが「天井の高さ」についてです。
建築基準法では、居室の最低天井高さは「2.1m」と規定されています。(参考:建築基準法施行令第21状「居室の天井の高さ」)
そのため、折り下げ天井の低い範囲が2.1m以上でないといけません。
高い範囲は高さによって印象が変わるため、空間の用途に合わせて適切な高さに設定しましょう。
天井高さ | 印象 |
---|---|
2,100m | ・建築基準法で定められる最低天井高。 |
2,200m | ・低く感じて天井の段差がほとんど目立たずメリットは少ない。 ・また、段差部分に設置できる照明器具も限定される。 |
2,300m | ・主に寝転んで過ごす寝室や小さいお子さまが使う子供部屋、床座で過ごす和室であれば気にならないが、リビングなどだと圧迫感を感じる。 |
2,400m | ・最近の一般的な天井高さで、リビングなどでもあまり圧迫感は感じない。 ・天井の低い部分を2,100mmに設定しても段差が300mmできるため、見た目にメリハリがつく |
2,500m | ・「天井が高い」と実感できる ・2,400mmと比べてもかなり開放的 |
2,600m | ・座って過ごす空間だと、天井が高すぎて落ち着かない可能性がある |
2,700m | ・かなり開放的になるが、窓やドアとのバランスが悪くなり違和感を感じる可能性がある。 |
ただし、段差に間接照明を入れたい場合はさらに天井を高くしなくてはいけない可能性がありますので、詳しくは建築会社へご相談ください。
折り下げ天井の採用事例と設計デザインのポイント
蓮見工務店では、これまで折り下げ天井を取り入れた住宅を数多く手がけてきた実績があります。
その中からいくつかを抜粋し、設計デザインのポイントと併せて紹介します。
折り下げ天井へ間接照明を組み合わせた事例
こちらは最近人気のパターンで、オープンキッチンの上を折り下げ天井にして段差に間接照明を設置しました。
ダウンライトと間接照明の組み合わせは、シンプルモダンなインテリアと相性抜群です。
キッチンに立つと正面に開放的な空間が広がるため、圧迫感がありません。
また、内装ドアやキッチン収納は全てオーダー品で高さを折り下げ天井と合わせたため、すっきりとした印象に仕上がりました。
天井高さで空間にメリハリをつけた事例
こちらは、一段下がった平天井と屋根勾配に沿った斜め天井を組み合わせた事例です。
外に向かって天井が高くなると、開放感が増します。
ソファに座りくつろぐ場所は、天井を少し下げることで落ち着いた雰囲気にしました。
板張り天井でインテリアにアクセントをプラスした事例
こちらは吹き抜けと板張り天井を組み合わせた事例です。
畳敷きの小上がりや椅子に腰掛けるダイニングの上は、明るい板張りの天井で仕上げ、隣の吹き抜けはホワイトを基調としました。
平天井から吹き抜けと一気に天井高さが高くなると、コンパクトな間取りでも爽やかな雰囲気になります。
フローリング・家具・板張り天井・柱などの木目カラーを揃えた点もポイントです。
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天井の段差を活かして建築化照明を取り入れた事例
こちらはダイニングキッチン上の天井を一段下げ、その中に照明器具を設置した「建築化照明」を取り入れた事例です。
天井から優しい光が溢れ出て、住宅の間接照明とはまた一味違う雰囲気に仕上がります。
和モダンなインテリアがお好きな方におすすめのアイデアです。
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「細部にまでこだわった居心地の良い家にしたい」という方は、お気軽にご相談ください。
まとめ
「折り下げ天井」は、インテリアに個性や開放感、落ち着きをプラスする人気の手法です。
ただし、採用する前にはデメリットや注意点とそれらへの対策を知っておきましょう。
施工事例を見て、仕上がりをイメージすることも重要です。
家づくりを後悔しないためにも、折り下げ天井の採用実績が豊富な建築会社へ相談しましょう。
そして、ずっと暮らし続けられる住まいを建てるために、ぜひ「構造・間取り・内装デザイン・材料」全てにこだわってください。
- 長寿命で高耐久な構造計画
- 機能的で無駄のない動線を踏まえた間取り計画
- 温もりや居心地の良さを感じられる内装デザイン
- 住む人の健康を維持するための材料・設備選び
私たち蓮見工務店はこれら全てを踏まえて、設計事務所として培った経験や知識と、高品質な施工技術により、お客様に心から安心していただける住まいづくりを徹底しております。
デザインと性能、快適さの全てを持ち合わせた家を埼玉県で新築・リノベーションしたい方は、ぜひ「蓮見工務店」までお問合せください。