【吹き抜けのある注文住宅】メリット・デメリットやよくある後悔の理由、おしゃれな事例を解説

【吹き抜けのある注文住宅】メリット・デメリットやよくある後悔の理由、おしゃれな事例を解説

「開放的な吹き抜けがある家」に憧れる方は多いですよね。

モデルハウスなどでも吹き抜けは多く取り入れられています。

しかし、SNSやブログを見ると「吹き抜けを後悔した」というレビューは少なくありません。

そこで今回は「吹き抜け」について、メリットとデメリット・注意点、後悔しないための対策について解説します。

“蓮見工務店”がこれまで手がけた施工事例も紹介しますので、これからマイホームの新築やリノベーション計画を始める方はぜひ最後までご覧ください。

この記事のポイント
● 吹き抜けは空間に開放感と明るさをプラスします。

● 吹き抜けにはデメリットや注意点もあるため、事前に対策方法と合わせて知っておきましょう。

● 「蓮見工務店 + 蓮見建築設計事務所」は、“手作りの家”をモットーに吹き抜けのある住宅を数多く手がけています。

 


目次


 

吹き抜けのメリット

吹き抜けのメリット
施工事例「中庭を囲むリビング階段の家

吹き抜けとは、複数階の間に床を作らず縦に空間を繋げる手法を指します。

戸建住宅では主に玄関ホールやリビングの一部に採用され、注文住宅だけではなく建売住宅や賃貸住宅の間取りへ取り入れられるケースも珍しくありません。

吹き抜けのある家のメリットは、主に3点です。

  • 狭い床面積でも空間を上に広げると、天井までの距離が遠くなり圧迫感が解消されて開放的な空間になる
  • 吹き抜けがあると窓の位置を高くできるため、より部屋の奥まで採光できる(ハイサイドライト・トップライト※など)
  • 上下階の空間が緩やかにつながり、家族の気配を互いに感じられてコミュニケーションを取りやすくなる

※ハイサイドライト:高窓(たかまど)とも呼ばれ、天井に近い位置へつける側窓を指す
※トップライト:天窓(てんまど)とも呼ばれ、屋根に開口して設置する窓を指す

ポイント
吹き抜けは従来の間取りと比べてリビングや玄関ホールがオープンな雰囲気になるため、家全体の一体感が増して明るい印象の住まいに仕上がります。


 

施工事例



【SNS・ブログによくある】吹き抜けの後悔理由やデメリットとその対策

【SNS・ブログによくある】吹き抜けの後悔理由やデメリットとその対策
施工事例「洗出し土間とスキップフロアの家

吹き抜けはメリットがある一方で、SNSやブログを見ると「やめておけばよかった」とネガティブな意見も目につきます。

では、よくある“後悔した理由”とその対策を紹介します。

「吹き抜けを通じて音・匂いが広がる」

吹き抜けのある家に住んでみて「リビングの音が2階の寝室まで聞こえて気になる」「料理の匂いが上がってきて嫌」という感想を持つ方もいらっしゃるようです。

確かに吹き抜けは上下階の間に隔たりがないため、このような問題が起こる可能性があります。

対策方法
● 第一種換気システムを取り入れて、計画的かつ確実に家全体の空気を定期的に入れ替える(空調効率を下げない全熱交換気タイプがおすすめ)

● 吹き抜けの近くに音が気になる書斎や寝室を配置しない(ホールやトイレ、収納などを吹き抜けと個室の間に配置する)

● 吹き抜けに面した部屋に室内窓をつけて気分やシーンに合わせて開閉できるようにする


オープンキッチンの近くに吹き抜けをレイアウトする際は特に調理音や匂いが気になりやすいので、十分注意しましょう。

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「エアコンが効かない・室内の温度調節が難しい」

吹き抜けは空間容積が大きくなるため、床面積に合わせて選んだエアコンではパワーが足りずになかなか室温を調節できません。

また、冬にエアコンやストーブの暖気が吹き抜けの天井近くに溜まって、足元がいつまでも寒いとお困りの方もいらっしゃるようです。

対策方法
● 家全体の断熱性・気密性を高めて、外気温の影響を受けにくく空調機器に頼らなくても快適な室内環境を維持できる家にする

● 全館空調で部屋単位ではなく家全体で室温を一定に調節する

● 吹き抜けにシーリングファンを設置して、溜まった暖気を撹拌する

● 足元を効率的かつスピーディに温められる電気式床暖房を補助設備として設置する


最も効果的なのは、家の断熱性・気密性を高める方法です。

空調機器の稼働時間を短縮できるため、省エネ(=光熱費削減)効果を期待でき、空間ごとの室温ムラによる健康被害のリスクも抑えられます。

「玄関ドアを開けるたびに冷気(暖気)が室内に広がる」

玄関にダイナミックな吹き抜けがある間取りも人気ですが、家族構成や間取りによっては玄関ドアを開けるたびに冷気や暖気が家の中に広がって不快になる可能性があります。

また、冷暖房をいくらつけても部屋がなかなか快適にならないと感じる方もいらっしゃるようです。

対策方法
● 終日、人の出入りが多い家は玄関ホールに通じる場所へ吹き抜けやオープンな階段室を配置しない

● 玄関ホールとリビングなど人が集まる場所の間にドアを設ける

● 玄関ホールから近い場所に階段を作らず、リビング階段にする(リビング階段をオープンにして吹き抜けを兼ねるプランが人気)


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「吹き抜けにある照明や窓の掃除(メンテナンス)が大変」

「吹き抜けに面した窓やシーリングファンに溜まったホコリを掃除できない」「電球が切れたらどうすればいいか心配」という声も耳にします。

しかし、掃除やメンテナンスを気にして吹き抜けに照明や窓、シーリングファンをつけないと快適性が落ちてしまうかもしれません。

対策方法
● 既に白熱灯の生産は終了しておりLEDに切り替わっているため、そもそもこまめな電球取替は不要(LED電球の寿命は1日8時間点灯で13~17年程度)

● 吹き抜けには、シーリングライトではなく電球を変えやすい壁付けのブラケットライトをつける

● シーリングファンをこまめに掃除したい方は昇降タイプを選ぶ

● 2階から窓掃除できるように吹き抜けに面してホールやキャットウォークを作る

● リビング階段を設置して、踊り場などから掃除やメンテナンスをできるようにする


吹き抜けを作る時は、住み始めてから5年後・10年後までイメージしてプランを検討しましょう。

「吹き抜けにある窓の日差しが暑い・眩しい」

吹き抜けにハイサイドライト(高窓)やトップライト(天窓)をつけると、明るく爽やかな印象になりますが、一方で日差しの暑さや眩しさが気になる可能性があります。

また、隣に背の高い建物があると外からの視線が気になってしまうかもしれません。

対策方法
● 吹き抜けに取り付ける窓の位置を決める際は、方角や日射角を確認して庇などの外構計画も含めて検討する

● 日当たりの良い場所に窓をつける場合は、遮熱ガラスを採用する

● 隣家からの視線を事前に確認して窓の位置やサイズ、ガラスの仕様をきめる(内部が見えにくいフロートガラスもおすすめ)


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「2階が狭い」

吹き抜けを作ると、その分上階(2階)の床面積が減るため、手狭に感じる方もいらっしゃいます。

様々な口コミを見ると「憧れの吹き抜け付きリビングを実現したものの、その代わりに2階の収納スペースを縮小しなくてはいけない」などのケースもあるようです。

対策方法
● 吹き抜けを間取りの第一優先にするのではなく、家全体の空間配分をじっくり検討する(理想と実用性のバランスを考える)

● ハーフ吹き抜け※を採用して上階の床面積を確保する

● ファミリークローゼットなど収納スペースを集約して間取りをミニマルでコンパクトにまとめて吹き抜けにあてるスペースを確保する

※ハーフ吹き抜け:天井高さが通常の1.5階分程度におさえる手法で、その上のスペースを上階から使える収納スペースなどに活用できる


「耐震性能が心配」

吹き抜けについて調べると「耐震性能が落ちる」など、気になる情報が目につきます。

結論から言うと、「吹き抜けがある=耐震性が低い」という訳ではありません。

ただし、広い吹き抜けを設ける場合は構造面での工夫が必要です。

対策方法
● 広い吹き抜けのある2階建て以上の家を建てる際は、構造計画に詳しい建築会社へ相談する

● 主要な構造体である梁や柱が見えるプランを検討する


広い吹き抜けを作りたい場合は、設計施工の実績がある建築会社へ相談しましょう。


「リフォームで吹き抜け部分を部屋にするのは大変」

吹き抜けのある家に住み始めてから「もう一部屋必要」など、リフォームやリノベーションを検討する方もいらっしゃいます。

ところが、吹き抜け部分を後から部屋へ変更するのは決して簡単ではありません。

仮に吹き抜けを部屋へ変えられたとしても、新築時から10㎡(約3帖)以上床面積が増える場合は、再度建築確認申請をしなくてはならず、容積率をオーバーしてしまう可能性もあります。

また、吹き抜け部分を部屋にする場合は大掛かりな構造補強が必要なので、工事範囲が広くなることは避けられません。

対策方法
● 新築時には、将来の家族構成やライフプランを踏まえて吹き抜けを作るかじっくり検討する

● 吹き抜けを部屋にするか部屋を無くして吹き抜けに並行移動したい場合は、フルリノベーションと合わせて実行する


長年快適に住み続けられる家を建てたい方は、ご自身の人生設計や思い描く理想の暮らしの実現を親身になってサポートできる建築会社を選びましょう。

 

施工事例


吹き抜けのある家|成功事例と間取りのポイント

蓮見工務店では、これまで吹き抜けを取り入れた住宅を数多く手がけてきた実績があります。

その中からいくつかを抜粋し、設計デザインのポイントと併せて紹介します。

リビング階段×吹き抜け

リビング階段兼吹き抜けのある家
施工事例「中庭を囲むリビング階段の家

こちらは、LDKに軽やかなオープン階段を配置した事例です。

階段室も兼ねる吹き抜けには、1階・2階それぞれに大きな窓を設置しました。

階段は蹴込み(けこみ)※のない鉄骨階段にして、圧迫感を解消した点もポイントです。

※蹴込み:階段の立ち上がり部分で、段と段の間へ取り付ける垂直パーツ。


表しの梁・柱×吹き抜け

梁と柱を見せた吹き抜け空間
施工事例「ダークグレーのシックな外壁が特長的な大屋根の家

こちらはリビングの上を吹き抜けにした事例で、構造上必要な柱と梁を表し(あらわし)にしています。

フローリングや板張り天井と柱・梁の色調を揃えることで、統一感のあるナチュラルな印象の空間に仕上がりました。

高窓付きリビング×吹き抜け

施工事例「公園に面した吹抜けとダウンリビングの家

こちらはリビングにダイナミックは吹き抜けを作った事例です。

吹き抜け中央にある十字の梁にはライティングレールを取り付け装飾的なダウンライトを設置しました。

吹き抜けに面して4面の掃き出し窓を、その上には陽の光をふんだんに取り込めるハイサイドライトを取り付け、光に包まれる開放的なダイニングスペースに仕上げました。

平屋×吹き抜け

施工事例「穏やかな環境で紡ぐ、平屋での豊かな暮らし

こちらは、平屋建て住宅と吹き抜けを組み合わせた事例です。

吹き抜けによって天井が高い部分には、職人がフルオーダーで使った箱型階段で登るロフトを作りました。

耐震等級とは?

吹き抜けのある広々としたリビングダイニングの一角には、庭からスムーズに部屋へ上がれる土間スペースと、床に直接座ったり寝転んだりしてくつろげる小上がりを作るなど、住む方のこだわりや想いが随所に詰まっています。

玄関×吹き抜け

玄関にダイナミックは吹き抜けのある家
施工事例「屋根組と開放的ホールが特徴の家

こちらは、玄関ドアを開けると正面にダイナミックな吹き抜けと重厚感漂う階段がある事例です。

玄関ホールを明るくするために大開口を設け、そこからの採光を遮らないように軽やかな階段と“すのこ状”の渡り廊下を取り入れています。

玄関の真上にも窓を取り付けたので、両面から自然光が差し込み、気持ちの良いホールに仕上がりました。

和モダン×吹き抜け

和モダンデザインが特長的な吹き抜けのある家
施工事例「大屋根と丸太架構の家

こちらは左右対称の大屋根が特長的な事例で、屋根勾配を生かした開放的な吹き抜けのあるLDKがポイントです。

家の中央にある2階のホールから、LDKにいる家族へ声を掛けるシーンが思い浮かびますよね。

丸太の梁や畳スペース、地窓につけられた障子など、ところどころにプラスした和のデザインとシンプルモダンな印象が融合しています。

ポイント
蓮見工務店では、お客様のご予算や間取りへのご要望を踏まえて、「世界に一つだけのマイホーム」を提案しております。

細部までこだわり抜いた家を建てたい方は、お気軽にご相談ください。


 

施工事例

 

まとめ

施工事例「緑の庭を望む大開口リビングの家

吹き抜けは、間取りに開放感や明るさをプラスする人気の間取りです。

ただし、採用する前にデメリットや注意点とそれらへの対策を知っておきましょう。

施工事例を見て、仕上がりのイメージを膨らませてみるのも重要です。

家づくりを後悔しないためにも、「吹き抜けのある家」の施工実績が豊富な建築会社へ相談しましょう。

そして、ずっと暮らし続けられる住まいを建てるために、ぜひ「構造・間取り・内装デザイン・材料」全てにこだわってください。

  • 長寿命で高耐久な構造計画
  • 機能的で無駄のない動線を踏まえた間取り計画
  • 温もりや居心地の良さを感じられる内装デザイン
  • 住む人の健康を維持するための材料・設備選び


私たち蓮見工務店はこれら全てを踏まえて、設計事務所として培った経験や知識と、高品質な施工技術により、お客様に心から安心していただける住まいづくりを徹底しております。

デザインと性能、快適さの全てを持ち合わせた家を埼玉県で新築・リノベーションしたい方は、ぜひ「蓮見工務店」までお問合せください。

 

施工事例

 

監修者情報

蓮見幸男

蓮見幸男

住まいの知恵袋、家づくり問題解決仕事人

住宅に関するさまざまな事柄(耐震・温熱・耐久性など)を計算やシミュレーションにより可能な限り〝見える化"し、安心・快適な唯一無二の住まいをリーズナブルにお届けしたいと考えています。

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