家づくりで失敗する理由と成功に繋げる考え方

いつまでも暮らしやすさが続く家

「家は3度建てないと、満足のいく家にはならない」というようなことを聞いたことはありませんか?多くの人にとっては、一生に一度の家づくりです。3回も家を建て替えるなどということは現実的ではありません。1回目の家づくりで、子や孫の代まで受け継げる上質な住宅を実現するためには、失敗するわけにはいきません。

ところが現実には、家が完成した後、後悔する部分の多い家になってしまったというケースも聞かれます。なぜ、高額な費用をかけた家づくりが、失敗してしまうのか、その理由を知り、成功に繋げる対策に結び付けていきましょう。

家づくりへの取り組み方

自然素材を使った屋根組と開放的ホールが特徴の家

屋根組と開放的ホールが特徴の家

分譲住宅は、すでに家が完成しています。規格住宅は、基本的な間取りや建材などがあらかじめ用意されています。そしてどちらも、耐震性や断熱性などの住宅性能も決まってします。一方、注文住宅には、基になるひな形が全くありません。外観や内装のデザイン、建材、住宅性能など、あらゆることを自分たちで決めていきます。だからこそ、この世に唯一の家族に合った暮らしやすい家が生まれるのです。しかし、もし家づくりへの準備が全くなければ、表面的な理想ばかり追ってしまい、暮らしにくい家になってしまうリスクが高まります。

例えば、洗濯機や冷蔵庫などの家電を購入する際に、いきなり電気店に出かけて、店員に勧められるままに購入してしまい、使い始めてみて、思っていたような使い勝手ではなく後悔することはありませんか?

事前にメーカーのカタログやサイトで詳細に調査比較してから、電気店に出かければ、より店員の説明が理解しやすく、勧められるままに選ぶことはしないはずです。消費者側に知識があることが分かると、店員の説明もより深くなっていくので、より良い商品が選べます。

注文住宅の家づくりは、家電とは金額も桁が違う上に、決めていかなくてはならないことがたくさんあります。建築の専門家ではないのだから知識がないのは当然、知識がなくても家は建つという考え方もありますが、情報収集は大切です。専門的な知識はなくても、家づくりに対する情報をできるだけ多く吸収し、数ある情報の中で自分の家づくりへの思いに沿ったものを選び、その情報を含め、より詳しく正確な情報を解説・提供してくれる依頼先と共に家づくりを始めることが、失敗しない家づくりに繋がります。

土地選びが希望する家づくりにあっていない

本格和風テイストの平屋の家

本格和風テイストの平屋の家

注文住宅では、土地探しも家づくりの一部です。土地探しの条件には主に、利便性、地域の環境や災害に対する安全性、敷地面積と土地の形状などが挙げられます。これらの条件に見合う土地を、家づくり全体の予算の中から土地に割り当てられる予算内で見つけなくてはなりません。

すべての条件を完全に満たす土地を望めば、予算内には収まらなくなってしまうでしょう。予算内に収めるためには、希望する条件に、優先順位をつけていく必要があります。

もう一つ考えておきたいことは、建てたい家にあった土地を選ぶということです。例えば平屋を建てる予定であれば、ある程度広い敷地が必要です。3階建て以上の建物がない敷地周辺の環境も求められます。どんなに利便性が良くても、ビルやマンションに囲まれた狭小地に、平屋を建てても暮らしやすい家にはなりません。

一方、段差のある土地や変形地、南側に隣家や交通量の激しい道路が面している土地などは、暮らしやすい家にならないだろうと避ける人が多いのではないでしょうか?しかし、設計によっては、段差や変形を活かして、暮らしやすい家になる可能性があります。南側が開けていなくても、他の方角に向けてたり吹抜けを設けたりして居心地の良いリビングを実現することもできます。

ただ、この判断は、専門家のアドバイスがないと、なかなかつけられるものではありません。良い印象をもった土地でも、地盤や災害対策上の問題、陽当たりやプライバシー、防犯上の問題、工作機械が使えない、搬入車両が進入できないなど施工上の問題がある場合もあります。土地選びで失敗しない為には、専門家のアドバイスを受けながら土地探しをすることが効果的です。そこで考えたいことは、土地探しを先にするか、施工の依頼先探しを先にするかということです。理想的な土地探し、土地選びは、まず施工の依頼先を決め、一緒に土地を探して、最適な土地を選ぶという方法です。

家族だけで土地探しをしていたら、見過ごしていた変形地に、可能性を見出せるかもしれません。反対に、ここは良い!と思った土地が、専門家の目から見て、理想の家には合わない土地であることが分かることもあるでしょう。

家族の暮らしを具体的に思い描いていない

窓から緑を眺めて暮らせる家

窓から緑を眺めて暮らせる家

家づくりの初めの段階では、インテリア雑誌や、映画の中のワンシーンにあった素敵な家のイメージ、見学したモデルハウスの室内の雰囲気などから、ふんわりと、こんな家にしたいな…という希望が生まれると思います。そう言ったイメージを持つことは、とても良いことですが、間取りプランを作成する際には、同時に、床面積の割り振りと、家族の日常を具体的に思い浮かべることも大切です。

広々とした吹き抜けのあるリビングというイメージに対して、家族が家にいる時間の中で、長時間を過ごす場所がリビングであれば、イメージと暮らしがあっています。しかし、帰宅後は、それぞれが自分の部屋で過ごすという家族であれば、家族それぞれの居室を充実させるべきでしょう。特に、今後リモートワークが増えることを考えると、多少リビングが狭くなっても、ワークスペースのある家が必要かもしれません。

アイランドキッチンのある友人たちが集う楽しい家というイメージに対して、LDKに充てられる十分な面積があれば、使いやすいLDKになるでしょう。しかし、アイランドキッチンを導入すると、ダイニングとリビングの面積が圧迫されるという場合には、それ以外のキッチンを選ばなくてはなりません。

間取りには、朝起きて、出かけ、帰宅し、就寝するまでの家族一人一人の行動から割り出した、最適な家族の生活動線、家が完成してから使う予定の家具や、家電のサイズを具体的に想定した窓と、家の中の出入り口の位置やサイズ、開閉方法、照明やコンセントの位置などを反映させていく作業も重要です。

生活の時間帯がずれている家族であれば、遅く帰宅する家族が、早く就寝する家族の睡眠を妨げないような部屋の位置関係にも、配慮しなくてはならないでしょう。二世帯同居の家族であれば、共有部分の使い方に、ストレスが生まれないようにする工夫も求められます。間取りを決める際には、新しい家での日常を、具体的に考えていくことが大切です。

将来の暮らしの変化を考えていない

家を建てるタイミングは様々ですが、一般的に子育てに備えてというタイミングが多いのではないでしょうか?そのような場合、子育てがしやすい家という視点だけで、家づくりを進めたくなるかもしれません。確かに子育ての期間中には、子供の成長に応じて、様々な暮らしの変化が起こります。就学までは、常に親と一緒に行動している子供も、小学校高学年になると、子供部屋を欲しがるようになります。下の子供が生まれれば、子供部屋がもう一つ必要かもしれません。

子育て中の変化に対しては、就学までは、リビングの続き間を、家族全員の寝る部屋にしておき、子供が小学校高学年になったら、続き間は客間にし、2階の子供部屋と夫婦の寝室に分かれて就寝する、子供部屋は、子供の成長に合わせて、分割できるように計画しておくなど、家族の暮らし方、教育方針に合わせて、手軽なリフォームで、暮らしの変化に応じられる家にしておくことが暮らしやすさの持続に繋がります。

そして、子育ての期間は、家を建てる時に子供の年齢にもよりますが、20年未満ではないでしょうか?そして、家を建てたご夫婦には、子育てを終えてからもずっと、これから建てる家での暮らしが続きます。2階建ての家の場合、高齢になると、2階は使わなくなるというケースもよく聞かれます。子供が独立した後には、広い家を持て余すということもあるでしょう。

その時に備えて、新築時に、高齢になった際にはエレベーターを設置できるような間取りにしたり、減築して平屋にできるようする、高い断熱気密性能を確保して光熱費の負担の少ない設えにしておくなど、将来に対する準備をしておくことも、失敗しない家づくりに繋がります。

この他にも、家づくりには、快適性を確保する為の空調・換気計画、地震や台風などの自然災害があっても脅かされない耐震耐風性、雨漏りや白蟻被害といった耐久性への備えなど、重要な要素があります。

室内環境の重要性については、こちらのコラムもご覧ください。

快適な家に欠かせない室内環境とは?コロナ対策にも役立つ家づくり

これらの住宅性能は、目に見え辛いものですが、暮らしの快適さと安心・安全には欠かせない要素です。

土地選びから、暮らしやすい間取り、住宅性能まで、家づくりには欠かせない要素がたくさんあります。その要素を全て欠かすことなく備えた家を建てることが、家づくりの成功に繋がります。しかし、予算は無限にわいてくるものではありません。その為、家づくりには欠かせない要素に、適切に予算額を設定し、その予算をバランスよく割り振るという事があります。将来へのお金の備えであるライフプランをしっかりと立て、現在の家族の暮らしと、将来の家族の暮らしを思い描きながら、良い家づくりをしていきましょう。

蓮見工務店の家づくりへの想い

注文住宅,家づくり,設計

私たち蓮見工務店は、「工務店」+「設計事務所」ならではの
手作りの家づくりときめ細かいアフターメンテナンス、
そして設計事務所として培ってきた
デザイン性、高性能な家を提供させていただきます。

「熱を集め、移し、蓄える」

「風を通し、涼を採り、熱を排出する」

「直接的な日射を避ける」 「断熱・気密性を高める」

などのパッシブデザインも積極的に取り入れ、
今まで多くの雑誌にも掲載していただきました。

快適で心地よい暮らしは、設計、性能、見た目のデザインなど、
全てのバランスで実現できます。

そして、経験豊富な職人の手によってカタチになるのです。
私たち蓮見工務店は、それらすべてにこだわり、
お客様の一棟に全力をそそいでまいります。

注文住宅やリフォーム、リノベーション、店舗などの建築を
ご検討中の方には、これまでに携わったお宅をご見学していただけます。

「木造住宅の視覚的な心地よさ、
木にしか出せない香り、温かみのある手触り」

「木の心地よさと併せて太陽の光などを取り入れた、
パッシブデザインの良さ」

を感じて頂けます。

ご希望などございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。

監修者情報

蓮見幸男

蓮見幸男

住まいの知恵袋、家づくり問題解決仕事人

住宅に関するさまざまな事柄(耐震・温熱・耐久性など)を計算やシミュレーションにより可能な限り〝見える化"し、安心・快適な唯一無二の住まいをリーズナブルにお届けしたいと考えています。

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