注文住宅を建てることを選択したご家族には、家に対するこだわりがあり、
家族の暮らしに合った家を建てたいという想いがあることと思います。
ただ、住宅は、完成した家に数日暮らしてみるという体験ができません。
その為、後悔の残る家、暮らしにくい家になってしまうケースがないとは言えません。
非の打ちどころのない家、暮らしやすい家を実現するためには、様々な要素があり、
それらをすべて家づくりプランに盛り込んでいくことが大切です。
暮らしやすい家を実現するために必要な、様々な要素の中の一つに、間取りプランがあります。
間取りが暮らしに与える影響には、大きく分けて、
家族のコミュニケーションや動線に関わる要素と、室内環境に関わる要素があります。
間取りの室内環境の関係については、こちらをご覧ください。
今回は、家族のコミュニケーションと、キッチンの使い勝手に関わる要素について考えていきましょう。
家族のコミュニケーションと間取りの関係
間取りの中で、リビング・ダイニング・キッチンの並べ方や造り方は、
家族の触れ合い、家族のコミュニケーションのあり方に影響を与えます。
最近は、リビング・ダイニング・キッチンは繋げて配置する、対面キッチンにするという
間取りが人気ですが、どのような家族にも最適という訳ではありません。
キッチンの在り方
家族の生活の時間帯がほぼ同じで、気を遣うお客様も少ない、というようなご家族の場合には、
リビング・ダイニング・キッチンは繋げて配置する間取り、対面キッチンが好まれます。
- 食事の支度をしながらでも家族と話ができる
- 配膳などのお手伝いがしやすい
- 家事をしながら子供が見守れる
というような状況を作れるからです。
ただ、対面キッチンに関しては、子供に何かあった時に対面キッチンに遮られて、
すぐに駆け付けられないということも考えられます。
壁付キッチンであれば、遮るものがないので、すぐに駆け付けられます。
また、対面キッチンには、子供たちが独立していき、夫婦だけになった時には、
配膳が面倒になるというケースもあります。
- 気を使うお客様が多い
- 料理の品数が多い、日常的に凝った料理を作る
- 見守りが必要な子供がいない
- 二世帯住宅で子供を見守る人がいる
というような場合には、独立型キッチンにするという選択肢もあります。
独立型キッチンは、食事の支度をしながら、リビングの家族の団欒に参加できませんが、良い点もあります。
吹き抜けのあるリビングでは、調理の匂いや煙が2階の部屋まで流れて行ってしまうという問題が
起こることがありますが、独立型ならその心配はありません。
また、ペットと一緒に暮らしている家族の場合、ペットをキッチンに立ち入らせないため、
様々な工夫をされていると思いますが、独立型キッチンであれば、
ドアを閉めるだけで、ペットの出入りを防げます。
リビング・ダイニング・キッチンの配置
日常的に使わない部屋をなくし、日常的に使う部屋の床面積を増やすという考え方の間取りの中には、
客間を作らない間取りがあります。
独立型キッチンにする場合、リビングと客間の兼用は、難しくありません。
しかし、客間を作らない間取りで、リビング・ダイニング・キッチンをつなげて配置する場合、
リビングのお客様からの視野に、キッチンが入ることも考えておく必要があります。
家族にとっても、リビングにいる時間帯には、キッチンが視野に入らない方が寛げる、と感じる場合があります。
- アイランドキッチンにする、見せる収納が魅力的な壁付キッチンにするなど、
素敵な見せるキッチンを演出する - 手元が隠れる対面キッチンにする
このように、キッチンレイアウトのタイプを選び、見せるキッチンと、隠すキッチンを作り出す方法があります。
もう一つの方法は、リビング・ダイニング・キッチンの配置です。
- 一直線に並べるのではなくL字型に並べる
- 一直線に並べるが、ダイニングキッチンとリビングの間にパーテーションや、
引き戸、スケルトン階段を設ける
このように、リビングからの視線がキッチンに届かないようにする方法もあります。
まだ子供が小さい家庭と中学生以上に成長している家庭、夫婦と子供だけの家族と三世帯が同居する家族、
来客の多い家庭とほぼ来客のない家庭など、家族の暮らし方によって、
使いやすく、居心地の良いリビング・ダイニング・キッチンの在り方は変わってきます。
家族構成、家族の暮らし方に合ったキッチンの在り方、
リビング・ダイニング・キッチンの配置を、間取りプランに活かしましょう。
キッチンの使い勝手とレイアウトの選び方
リビング・ダイニング・キッチンの配置は、家族全員の暮らしに影響しますが、
キッチンレイアウトは、キッチンの使い勝手を大きく変えます。
キッチンの配置方法は、壁付、または対面です。
【壁付】
- L字型
- コの字型
【対面】
- アイランド(独立している)
- ペニンシュラ(一部が壁に接している)
- Ⅱ型(コンロ、作業スペース、シンクが向かい合って並んでいる)
上の写真のキッチンはⅡ型のレイアウトです。
【壁付・対面】
- I型(コンロ、作業スペース、シンクが一列に並んでいる)
床面積から選ぶレイアウト
これらのキッチンレイアウトは、キッチンに使える床面積や、
家族の暮らし方によって、選び方が変わってきます。
【広さが必要】
アイランドタイプや、ペニンシュラタイプ、Ⅱ型タイプ、コの字型タイプは、広い床面積が必要です。
リビングダイニングと繋がっていて、床面積に余裕がある場合は、
Ⅱ型タイプ、アイランドタイプや、ペニンシュラタイプが向いています。
【狭くても対応できる】
壁付I型タイプは、床面積が限られていても、使いやすいレイアウトです。
対面Ⅰ型タイプは、壁付より床面積が必要ですが、壁側に収納スペースを作れます。
L型は、コーナーの部分が使いにくく、デッドスペースになってしまう恐れがありますが、
キッチンの床面積が限られている場合には、設置しやすいレイアウトです。
家族の暮らし方から選ぶレイアウト
調理やお手つだいをする人数、料理の作り方によって、適しているレイアウトが変わってきます。
- 家族全員で食事の支度をする アイランドタイプ
- 家族が配膳のお手伝いをする Ⅱ型タイプ、Ⅰ型対面タイプ
- 凝った料理を作る ペニンシュラタイプ、コの字型タイプ
それぞれのレイアウトの使い勝手
キッチンレイアウトは、壁付の場合には全体の幅、
並行タイプの場合には、中間の幅によって、作業効率が変わります。
【Ⅱ型タイプ、コの字型タイプ、L字型タイプ】
シンク・コンロ・冷蔵庫の3カ所が三角形になるので、効率よく作業できます。
ただし、Ⅱ型タイプ、コの字型タイプの場合には、平行に並んでいるシンクやコンロ、作業台の間の幅が、
100センチ以下であれば、動きにくくなってしまいます。理想は120センチです。
【壁付Ⅰ型タイプ】
幅を広げすぎると、シンク・コンロ・冷蔵庫の3カ所が遠くなってしまうので、作業効率が落ちます。
【アイランドタイプ】
どの部分からも出入りできるので、対面キッチンの中で、最も子供の見守りに向いています。
キッチンへの要望から選ぶキッチンの種類
【作業効率を良くしたい、凝った料理を作りたい、広い面積がとれる】
Ⅱ型タイプ、コの字型タイプ、L字型タイプ
【見せるキッチンにしたい】
アイランドタイプ、壁付Ⅰ型タイプ
【キッチンに使う床面積を倹約したい】
壁付Ⅰ型タイプ
【子供を見守り、何かあったらすぐ駆け付けたい】
壁付Ⅰ型タイプ、アイランドタイプ
【家族とコミュニケーションをとりたい】
対面キッチン
【ニオイや煙を家の中に充満させたくない】
独立型キッチン
調理をする人は、誰もが、理想のキッチンへの想いを持っています。
その想いが、インテリア雑誌や、コマーシャルから受けたイメージだけで作られた想いであれば、
現実には、使い勝手の良いキッチンにならない可能性があります。
家づくりに際しては、キッチンへの夢と、家族の暮らし、
キッチンに使える床面積を、すべて考え合わせることが大切です。
■ ■ ■
家事負担を減らす為には、使い勝手の良さが求められます。
リビングからの見栄えを良くするためには、配置の工夫が必要です。
家族の暮らし方、家族構成と生活の時間帯によって、
使い勝手の良いキッチンの在り方は変わってきます。
キッチンに使える床面積によって、レイアウトの選択肢が変わってきます。
使いやすいキッチン、居心地の良いリビングとダイニングにするためには、
床面積、家族構成、暮らし方に合わせた間取りにすることが大切です。
それを踏まえた上で、家全体の床面積のバランスと、
ダイニングキッチンの間取りとリビングの関係を考え、間取りプランを進めましょう。
蓮見工務店の家づくりへの想い
私たち蓮見工務店は、「工務店」+「設計事務所」ならではの
手作りの家づくりときめ細かいアフターメンテナンス、
そして設計事務所として培ってきた
デザイン性、高性能な家を提供させていただきます。
「熱を集め、移し、蓄える」
「風を通し、涼を採り、熱を排出する」
「直接的な日射を避ける」 「断熱・気密性を高める」
などのパッシブデザインも積極的に取り入れ、
今まで多くの雑誌にも掲載していただきました。
快適で心地よい暮らしは、設計、性能、見た目のデザインなど、
全てのバランスで実現できます。
そして、経験豊富な職人の手によってカタチになるのです。
私たち蓮見工務店は、それらすべてにこだわり、
お客様の一棟に全力をそそいでまいります。
注文住宅やリフォーム、リノベーション、店舗などの建築を
ご検討中の方には、これまでに携わったお宅をご見学していただけます。
「木造住宅の視覚的な心地よさ、
木にしか出せない香り、温かみのある手触り」
「木の心地よさと併せて太陽の光などを取り入れた、
パッシブデザインの良さ」
を感じて頂けます。
ご希望などございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。