子育てしやすい家には、子供を事故から守る対策と、子育てしやすい間取りを計画することが必要です。子育てしやすい間取りは、子供の見守り、主婦の家事負担の軽減などに配慮した快適に子育てできる環境を調えます。同時に、仕事と子育てに忙しい両親が、それぞれ寛ぎの時間を持てる空間も必要です。そのような家にするための要素について考えてみましょう。
子供の家の中での事故から守る対策についてはこちらからご覧ください。
子供の健康を守る環境
快適に子育てができる環境の中の一つは、子供の健康を守れる環境です。
窓からの陽射しと景観
人間の生活に、基本的に必要なことですが、子育て中には、特に配慮したい要素です。朝になると陽射しが入り始め、日中は照明をつけなくても過ごせる明るさのある家は、子供の心を健康にします。
また、家にいる時間の長い乳幼児にとって、窓からの景観は、子供に家の外の世界、季節の移り変わりなどを感じさせ、情緒性を育みます。
風通しと換気、建材で変わる家の中の空気
位置や大きさに配慮された、窓からの風が通る家は、季節の風を感じられる気持ち良い家です。それだけでも、家の中の換気は良くなりますが、1日の時間帯や、季節の移り変わりによる気候の変化を考えると、窓以外の適切な換気計画も必要です。
アレルギー
近年、住宅の快適化と、冷暖房で消費されるエネルギーを削減するため、優れた断熱性と、気密性を備えた住宅が建築されるようになりました。その結果、最小限の冷暖房で、快適な室温を維持できる住宅が増えています。しかしその一方、断熱性と気密性の高さに応じた、適切な換気計画がされていない住宅、調湿性のない建材が多く使われている住宅においては、アトピー性皮膚炎や、気管支喘息、アレルギー性鼻炎など、子供のアレルギー発症のリスク高まっています。
アレルギーの原因には、食物や花粉があげられますが、その他に、室内環境による発症ケースもあるのです。その理由の一つは、湿度の高さによるカビの発生です。カビが発生すると、ダニも繁殖します。カビの胞子やダニの死骸が、空気中に舞い散ることによって、子供にアレルギーを発症させてしまうのです。ことに、就学前の子供は、家にいる時間がほとんどなので、家の中の環境に大きく影響を受けます。
シックハウス症候群
健康に悪影響を与える、ホルムアルデヒドなどの、化学物質を含む建材が使われた住宅で、換気が十分でなかった場合、その化学物質が、シックハウス症候群の原因になってしまうことがあります。風通しの良さ、換気計画、調湿性のある建材、化学物質を揮発させない建材が、家の中の空気を、子供の健康を守る空気にします。調湿性のある建材、化学物質を揮発させない建材として挙げられるのは、木材、漆喰、畳などの自然素材です。日本の住宅で、昔から使われてきた自然素材は、そのほとんどが、湿度の高い日本の風土気候に合う調湿性を備えています。
子育てしやすい間取り
子育て中には、子供を見守れる間取りが基本ですが、子供と一緒に過ごしやすい空間造りや、子供の成長を支える環境を調えることも大切な要素です。
子供を見守れる間取り
就学までの子供は、動作が不安定で、判断力も未熟なので、常に見守れる環境が必要です。子供が就学し、子供だけで外出できるようになってからは、子供の行動が把握でき、子供が年頃になってからは、コミュニケーションが途切れないような間取りが求められます。特にリビングとダイニングキッチンの配置と広さは、子供が乳幼児の頃から、中高校生になるまで、子供とのコミュニケーションに大きく影響します。
リビング
就学までの子供は、常に母親と一緒に過ごすので、母子にとって、リビングは生活の中心です。就学してからも、子供部屋よりリビングで過ごす子供は多く、宿題や読書などもリビングでします。その為、広々としたリビングを中心に間取りを造る、子供の勉強コーナーを設ける、リビングを通って子供部屋に行くような動線を作るなどが求められます。ゆったりしたリビングは、両親にとっても、日々の疲れを癒す場です。
和室
リビングに隣接した和室を設けると、視野に入る子供の遊び場やお昼寝スペースにもなり、来客があった際には、引き戸を閉じて客間としても使えます。
キッチン
リビングと繋がっていて、親子が一緒に作業できる広さのある対面式キッチンは、常に見守りが必要な就学までの時期には、キッチンでの作業中にも子供を見守れます。就学してからの子供は、食事の支度や、後片づけのお手伝いをしながら、家事やゴミ出しのルールを学べます。また、キッチンカウンターを設置すれば、母親がキッチンで作業をしている前で、子供が宿題をしたり、お絵描きをしたりできます。キッチンカウンターは、おやつや朝食の場としても活用できます。
子供と一緒に過ごしやすい空間造り
浴室
子供が小さいうちは、親子で一緒に入浴します。親子で入浴できる期間は、限られているので、とても大切な時間です。一人で入浴する場合、入浴は1日の疲れを癒す時間ですが、親子で入浴する場合、親子で入浴できるだけの広さがないと、かえって疲れてしまいます。親子でゆったり入浴できるだけの広さのある浴室と脱衣所、洗面所にすることが大切です。また、浴槽によって、使い勝手が変わってきます。浴槽の中に半身浴用のベンチがあるタイプは、乳幼児との入浴にも便利です。
寝室
一緒に入浴している時期には、就寝も親子一緒にする家族が多いです。その為、夫婦の寝室にも、親子で一緒に就寝するだけの広さが必要です。また、夜中の授乳やおむつ替えに備えて、キッチンやトイレへの動線を確保しておくことも求められます。
子供の自主性を促す収納とトイレ
収納
乳幼児のうちは、遊び終わったらおもちゃを自分で片づける、外出するような年頃になったら、帰宅したらなんでもリビング放置せず、決められた場所に収納するというような習慣をつけるためには、「子供に使いやすい収納のある間取り」が求められます。
小さな子供にとっては、開け閉めが安全に、簡単にできること、手の届く位置に自分のおもちゃをしまうスペースがあること、外出するようになった子供にとっては、玄関からリビングへの動線上に、収納スペースがあることです。
玄関からリビングへの動線上に、家族で使えるハンガーパイプや、造り付けの棚や、可動式の棚を備えたウォークスルークローゼットがあると便利です。両手いっぱいにおもちゃを抱えている子供でも、開け閉めの苦労なく、お片付けができ、帰宅した子供は、上着や帽子をしまってから、リビングに入れます。
子供がいると、部屋が片付かない原因は、子供にとって、しまいやすい場所に、収納スペースがないからです。子供がそれぞれの年齢で、最も使いやすい収納を作っておけば、部屋は自然と片付きます。
トイレ
子供が小さい時には、お母さんと一緒に入れる広さが必要です。そして、子供が一人でトイレに行けるようになるためには、一定期間のトレーニングが必要です。その為、親子で一緒に入れる広さにしておくことが必要です。トイレの広さは、家を建てたご夫婦が高齢になった時にも役立ちます。
家事負担を減らす間取り
子育て中は、大人だけの暮らしに比べて、洗濯物の量も、掃除の回数も増えます。子供をも見守りながら、それらの家事をこなさなくてはならないので、できるだけ家事負担を減らさなくてはなりません。子供を見守りつつ、回遊して家事のできる動線を確保することが必要です。
家事の中で、移動が家事負担を大きくするのは、洗濯です。洗濯機を置く場所が1階で、洗濯物を干す場所が2階のベランダという状況が一般的ですが、これは非常に大きな家事負担です。1階に洗濯室を設けると、洗濯物に関わる家事負担から、階段の昇り降りがなくなります。洗濯室に、部屋干しファン、ハンガーパイプ、パジャマや下着、タオルの収納スペースなどを備えると、洗濯から仕上げまで、同一の場所で洗濯が完了します。洗濯室があると、梅雨時や、花粉の時期にも、洗濯物が干せます。また、共働きの家庭で、夜干しが多い状況にも便利です。
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子育てのしやすさは、家の中の環境で大きく変わります。同時に、子育ての期間は、長い人生から見ると、一時期の貴重な時間です。子供の健康を守り、母親の育児疲れを増長させない環境の家を建て、ゆったりした子育てをお楽しみください。
蓮見工務店の家づくりへの想い
私たち蓮見工務店は、「工務店」+「設計事務所」ならではの
手作りの家づくりときめ細かいアフターメンテナンス、
そして設計事務所として培ってきた
デザイン性、高性能な家を提供させていただきます。
「熱を集め、移し、蓄える」
「風を通し、涼を採り、熱を排出する」
「直接的な日射を避ける」 「断熱・気密性を高める」
などのパッシブデザインも積極的に取り入れ、
今まで多くの雑誌にも掲載していただきました。
快適で心地よい暮らしは、設計、性能、見た目のデザインなど、
全てのバランスで実現できます。
そして、経験豊富な職人の手によってカタチになるのです。
私たち蓮見工務店は、それらすべてにこだわり、
お客様の一棟に全力をそそいでまいります。
注文住宅やリフォーム、リノベーション、店舗などの建築を
ご検討中の方には、これまでに携わったお宅をご見学していただけます。
「木造住宅の視覚的な心地よさ、
木にしか出せない香り、温かみのある手触り」
「木の心地よさと併せて太陽の光などを取り入れた、
パッシブデザインの良さ」
を感じて頂けます。
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