子育て住宅に求められる要素
子育てをするすべてのご両親が、怪我や病気をせず、元気に成長してもらいたい…という想いを持っています。その想いを叶えるためには、安全な環境と、健康に悪影響を与えない環境が必要です。
安全な環境
子育てに備えての家づくりでは、治安の良さ、歩道が広く、交通量の少ない道路、見通しの良い明るい公園など、子供の安全に配慮して、土地選びをします。しかし、事故のリスクは、家の周辺だけではなく、家の中にもあります。家の中での事故のリスクが少ないということも、安全な子育て環境には必要です。それを考えた時、階段のない平屋は、階段事故のリスクがないので、子育てに向いています。
また、地震大国の日本において、どんなに大地震が発生しても、安全な家であることも、重要な要素です。2階建ての家でも、十分な耐震性は備えられますが、構造の安定している平屋には、より大きな安心感があります。
健康に悪影響を与えない環境
健康的な生活を送る為には、日当たりや風通しの良さに加えて、家の中の温度と湿度を調えることも必要です。家の中の理想的な温熱環境は、季節の温度変化に応じて、最低限の冷暖房で、最適な室温が調えられることと、家の中の温度差が少ないことです。冷暖房をしている部屋だけが快適で、その他の場所は、寒いまま、暑いままでは、家の中に温度差が生まれてしまいます。
最低限の冷暖房で理想的な温熱環境を創り出すためには、熱の出入りを遮断する断熱性と気密性、それに高断熱高気密化に応じて、結露を生み出さないよう結露計算で確認した断面計画と換気計画が必要です。壁や屋根の中で発生する内部結露は、家の健康や耐久性にも悪影響を与えますし、窓枠や日当たりの悪い部屋の壁などでみられる表面結露は子供の身近な環境でカビを発生させて、アレルゲンとなります。
和風の家では、自然素材を多用します。畳、塗り壁、和紙、木材などの自然素材多くは調湿性に優れています。その為、空気中の水分が常に、ちょうどよく調えられる手助けをしてくれます。換気計画と自然素材の持つ調湿性が、ジメジメしたり、乾燥しすぎたりしない室内の環境を調えるので、カビやダニによる子供のアレルギー発症の危険性が低下します。また、自然素材の内装は、ホルムアルデヒドなどの、化学物質が空気中に揮発される心配もありません。
参考サイト 増加するアレルギー症状の子どもたち
家事負担が軽減される環境
日本の子育ては、就学までは常に見守って育てるという考え方が基本です。その為、親は子供を見守りつつ、家事や仕事をします。掃除、洗濯、食事の支度と後片付けは、必ず毎日しなくてはならない家事ですが、子育て中には、より洗濯物の量も、掃除の回数も増えるので、大変です。
掃除や、洗濯物を干したり取り込んだりする為に、2階に行かなくてはならない時には、子供が後追いをして、階段事故を起こしたりする心配もあります。平屋なら、2階に上がる必要がないので、家事負担が減ることに加え、間取りを工夫すれば、家事をしながらの見守りがしやすい環境が作れます。
子育てのしやすさを生む和風住宅特有のスペース
和風住宅の畳や土間など、日本の家の特徴ともいえる部分に、子育てに役立つスペースがあります。
畳のコーナー
リビングの続き間に、畳のコーナーが、子育て中には意外に役立ちます。畳は、内部に空気を含んでいるので弾力性があり、ヨチヨチ歩きの子供でも、安心して歩かせることができます。また、温かみがあるので、リビングで遊んでいる時に、急に眠ってしまっても、2階の子供部屋まで運ばず、畳コーナーで昼寝をさせられます。畳コーナーで昼寝をさせられると、キッチンやリビングで仕事や家事をしながらでも、視線が届くので安心です。
また、子育て中の主婦のストレスの解決にも役立ちます。就学前はもちろんですが、子供が小学校低学年のうちは、リビングで過ごす子供が多く、子供のおもちゃや、勉強道具で、リビングには物が溢れやすい状態です。そんな時に、来客があると、片付けが間に合わないことがあります。
リビングに物が溢れないようにするためには、適切なサイズの収納を、適切な位置に設けることが基本です。ただ、それだけではなく、それに加えて、リビングに畳の続き間があると、来客を畳のコーナーにお通しできます。視線が遮らるような格子や引き戸を設けると、畳コーナーは、客間として使えます。おじいちゃん、おばあちゃんが孫の顔を見に来てくれた時には、泊ってもらうこともできます。もちろん、家族だけの時には、引き戸を開放して、リビングの一部として使えるので、リビングを広く使えます。
土間
最近は、最低限の面積の小さな玄関土間があるだけ、という住宅が多くありますが、玄関土間に、ある程度の面積が確保できると、玄関はとても使いやすくなります。子供が小さいうちは、靴の脱ぎ履きにも時間がかかります。そんな時、ゆとりのある広さであれば、外出、帰宅時の子供の靴や上着の支度を手伝いやすいですし、ベビーカーも乗り入れられます。
ダイニングキッチンを土間にするという間取りも、子育てに向いています。土間は、水で洗い流せるので、子供の食べこぼしで、床が沁みになる心配がありません。庭に面して掃き出し窓を設けると、気候の良い季節には、窓を開け放して、庭で食事をしているような雰囲気を楽しめます。庭でバーベキューをするのは、準備が大変ですが、ダイニングなら、気分だけアウトドア、準備はいつも通りです。ご近所に気を使うこともありません。
リビングに土間を設けるという間取りもあります。庭とリビングの間に土間があると、子供が庭で泥遊びをしていても、土間で汚れが落とせるので、リビングが汚れません。雨の日には、土間で遊ばせることもできます。ただ、土間に使われる床材には、耐水性の高さが求められる為、硬い床です。畳や木材のような弾力性はありません。
土間の床材には、主に、洗い出し、コンクリート、タイルが挙げられます。どの素材も硬いのですが、洗い出しとタイルは水汚れに強く、楽に掃除ができます。コンクリートは、防塵塗料の効果が続いているうちは、手軽にきれいになるのですが、経年で汚れやすくなっていきます。また、ひび割れが発生することもあります。タイルは、色や柄のバリエーションが多く、内装と好みに合わせて選べます。ただ、タイルの種類によっては、濡れると滑りやすくなるタイプがあるので、注意が必要です。
ダイニングやリビングに土間を並べる場合、夏は涼しいのですが、冬は冷え込み対策が必要です。断熱性を高めることはもちろんですが、コンクリートやモルタルに、配管を埋め込むタイプの床暖房を採用する、薪ストーブを設置するなどの方法も考えられます。
縁側
縁側も、リビングと庭の間のスペースです。広縁の部分は家の中の空間なので、雨の日でも子供の遊び場として活用できます。また、冬は、昼間は温室のように暖かく、夕方からは、外とリビングとの温度の緩衝地帯としての働きもします。雨の日や、花粉の多い日には、洗濯物を干せるので、便利です。
濡れ縁の部分はウッドデッキのように使います。子供の庭遊びや、プール遊びを濡れ縁に腰掛けて見守れます。ただし、大人にとっては、何の問題もない濡れ縁と庭の上り下りですが、小さな子供には転落の危険性があるので、幅が広く浅い階段をつけるなどの工夫が必要です。
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平屋の良さの一つは、庭との融合性があることです。自然に触れあうことは、子供の五感を豊かに育てます。そして土間や縁側は、より家の内部と庭の自然を融合させます。
自然素材を多く使った木造住宅の平屋は、子供の心と身体を健康に育みます。大人にとっては、見守りがしやすい間取りにできるので、安心して子育てができます。確かに平屋には、敷地面積や、敷地周辺の環境に影響を受けやすいという難しさがあります。子育てに備える家づくりでは、敷地選びの段階から、平屋を建てることを前提に、計画を進めてみませんか?
蓮見工務店の家づくりへの想い
私たち蓮見工務店は、「工務店」+「設計事務所」ならではの
手作りの家づくりときめ細かいアフターメンテナンス、
そして設計事務所として培ってきた
デザイン性、高性能な家を提供させていただきます。
「熱を集め、移し、蓄える」
「風を通し、涼を採り、熱を排出する」
「直接的な日射を避ける」 「断熱・気密性を高める」
などのパッシブデザインも積極的に取り入れ、
今まで多くの雑誌にも掲載していただきました。
快適で心地よい暮らしは、設計、性能、見た目のデザインなど、
全てのバランスで実現できます。
そして、経験豊富な職人の手によってカタチになるのです。
私たち蓮見工務店は、それらすべてにこだわり、
お客様の一棟に全力をそそいでまいります。
注文住宅やリフォーム、リノベーション、店舗などの建築を
ご検討中の方には、これまでに携わったお宅をご見学していただけます。
「木造住宅の視覚的な心地よさ、
木にしか出せない香り、温かみのある手触り」
「木の心地よさと併せて太陽の光などを取り入れた、
パッシブデザインの良さ」
を感じて頂けます。
ご希望などございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。