家づくりの疑問 自分たち家族にはどのくらいの面積の家が必要?

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家族全員が居心地の良さを感じられる家とは、家族の自然な触れ合いがある家であり、

家族それぞれが、プライベートな時間を持てる家でもあります。

食事をしたり、家族の団欒を楽しんだりするスペースと、
一人の時間を過ごせるスペースが、バランスよく共存する間取りが
家族との時間も、自分の時間も楽しめる家を造るのではないでしょうか?

そのような間取りの家にするためには、家族構成に合った広さが必要です。

土地探しをする際に、漠然と、4人家族で暮らせる家…と考えているより、
建てたい家の理想像が明確になっている方が、より良い土地を選べます。

理想の暮らしを叶える家の広さについて、考えてみましょう。

家族の快適な暮らしに必要な居住面積とは?

居住面積とは、延べ床面積のことです。

延べ床面積とは、家全体の床面積です。

平屋なら、1階の床面積、2階建てなら1階と2階の床面積を併せた面積です。

では、どの程度の床面積の住宅が、多く建てられているのでしょうか?

日本国内での、平均的な新築戸建て住宅の床面積は、126.8㎡です。

これは、2018年にフラット35の利用者調査で出された数字です。

そして、埼玉県の平均的な床面積は94,38㎡です。

地方によって、土地の価格は大きく異なります。

埼玉県は、東京への通勤圏内にあるため、全国で8番目に土地の価格が高額です。

その為、全国平均と同じ規模の戸建て住宅を建てる人は、少ないと考えられます。

暮らしやすい家を構成する要素のうちの一つである間取りは、
この延床面積によって、変わってきます。

家族構成に応じて、最低限の床面積が確保できなければ、
暮らしやすい間取りにはできないでしょう。

しかし、予算を考えれば、思いのままに広くすることもできません。

では、理想的な広さと最低限の広さ、暮らしやすさを損なわない床面積とは、
どの程度の面積なのでしょうか?

参考として、国土交通省が、住生活基本計画における「水準」について
示している、居住面積の指針を見てみましょう。

誘導型居住面積水準と最低居住面積水準

居住面積の水準は、一般型誘導居住面積水準、都市居住型誘導居住面積水準、
最低居住面積水準に分類されます。

都市居住型誘導居住面積水準とは、マンションなどの集合住宅に対する水準です。

戸建て住宅に対する基準は、一般型誘導居住面積水準と、最低居住面積水準です。

ここでは、戸建て住宅に関する水準の内容を確認しておきましょう。

誘導型居住面積水準:世帯人数に応じて、豊かな住生活の実現の前提として、
多様なライフスタイルを想定した場合に必要と考えられる住宅の面積に関する水準

ゆとりある快適な暮らしを実現するために必要な床面積として、次のような数字が示されています。

  • 単身者 55㎡
  • 2人以上の世帯 25㎡×世帯人数+25㎡
1人暮らし 55㎡ 16.6375坪 27.422494畳
夫婦 75㎡ 22.99坪 49.07畳
3人家族 100㎡ 30.25坪 64.57畳
夫婦と未就学児の3人家族 87,5㎡ 26.32 坪 56.21 畳
4人家族 125㎡ 37.81坪 75.47畳
4人家族に未就学児が1名いる場合 112,5㎡ 33.88坪 67.62畳

 

最低居住面積水準:世帯人数に応じて、健康で文化的な住生活の基礎として
必要不可欠な住宅の面積に関する水準

快適な暮らしを実現するために必要最小限の床面積として、次のような数字が示されています。

  • 単身者 25㎡
  • 2人以上の世帯 10㎡×世帯人数+10㎡
1人暮らし 25㎡ 7.5坪 15.09畳
夫婦 30㎡ 9.07坪 18.11畳
3人家族 40㎡ 12.1坪 24.15畳
夫婦と未就学児の3人家族 35㎡ 10.58坪 21.13畳
4人家族 50㎡ 15.12坪 30.18畳
4人家族に未就学児が1名いる場合 45㎡ 13.61坪 27.17畳

 

床面積の配分バランスについて

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住生活基本計画住宅の持つ基本的な機能として、基本的機能と、居住性能が求められています。

その中で、直接、居住面積に関わる基本的機能の内容を確認しておきましょう。

  • 家族それぞれのプライバシーが守れる
  • 家族がゆったりだんらんできる
  • お客様をおもてなしできる
  • 趣味を楽しむスペースがある
  • キッチン、浴室、洗面所などの水回りが備えられている
  • 家族の人数に応じた収納スペースがある

これらの要素を満たす基準として、日常生活の行動に必要なスペースのバランスの例が示されています。

実際には、子供の年齢によって、必要面積が細かく示されています。
ただ、家は長く住むところです。

暮らすうちに、子供は未就学児から児童になり、中学生、高校生へと成長していきます。

その為、家を建てる際の参考にする場合、子供は、大人として計算した方が良いでしょう。

「誘導居住面積水準(都市型)」の例

家族の人数

 

寝室・子供部屋 リビングダイニング キッチン トイレ 浴室 洗濯 玄関 収納
1人 8,1㎡

約5畳

7,8㎡

約5畳

3,1㎡

約2畳

2,0㎡

約1畳

2,5㎡

約1,5畳

1,1㎡

約0,6畳

2,5㎡

約1,5畳

2,7㎡

約2畳

2人 16,2㎡ 10,2㎡ 3,1㎡ 2,0㎡ 2,5㎡ 1,1㎡ 2,5㎡ 3,9㎡
3人 24,3㎡ 12,2㎡ 3,8㎡ 2,0㎡ 2,5㎡ 1,1㎡ 2,5㎡ 5,1㎡

 

「最低居住面積水準」の例

家族の人数

 

寝室・子供部屋 リビングダイニング キッチン トイレ 浴室 洗濯 玄関 収納
1人 5,0㎡

約3畳

2,5㎡

約1,5畳

3,1㎡

約2畳

2,0㎡

約1畳

2,5㎡

約1,5畳

1,1㎡

約0,6畳

2,5㎡

約1,5畳

2,7㎡

約2畳

2人 10,1㎡ 2,5㎡ 3,1㎡ 2,0㎡ 2,5㎡ 1,1㎡ 2,5㎡ 3,9㎡
3人 15,0㎡ 3,1㎡ 3,8㎡ 2,0㎡ 2,5㎡ 1,1㎡ 2,5㎡ 5,1㎡

 

これらの例を参考にすると、おおよその必要面積が見えてきます。

その上で、家族構成と家族の暮らし方に合わせて、具体的な床面積を割り出していきましょう。

その際に、広く取りたい場所に対して、優先順位を決めておくと、床面積が割り出しやすくなります。

例えば、一般的には、リビングダイニングやキッチンは、家族の人数に応じて、広くする必要があります。

ただし、共働きのご夫婦で、家ではほとんど食事をしない、
または、家族が食後リビングで団欒することはない、という生活スタイルの家族もいます。

そのような家族であれば、リビングダイニングやキッチンに使う床面積を減らして、
週末のくつろぎの為のシアタールームを作ったり、
家族のそれぞれの居室を広くしたりするという考え方もあります。

加えて、床面積の広さの優先順位を決める際には、建てた後の数年間の暮らしだけではなく、
子育てが終わった時期、リタイヤする時期など、生活スタイルが変化も視野に入れることが大切です。

間取りの優先順位を決める際に大切なこと

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家族が楽しく、心地よく過ごせるリビングを作りたい

窓からの景観の良い寝室にしたい

品数の多い料理ができるような広いキッチンが欲しい

どんな風に暮らしたいかということを考えると、それぞれの居室に対する夢が浮かんできます。

ただ、その夢を叶えることだけを優先してしまうと、他の場所の床面積が圧迫されてしまう恐れがあります。

圧迫されてしまいやすい場所として考えられるのは、洗面所、浴室、トイレ、玄関です。

これらの場所は、長く過ごす場所ではないので、間取りを考える時に、取り残されがちなのです。

ところが、長くいる場所ではないものの、これらの場所は、毎日必ず使う場所です。

広いリビングを作りたいがために、洗面所や浴室を狭くしてしまえば、使い勝手の悪い場所になってしまいます。

家族の人数が多い場合、朝は、洗面所やトイレが混みあってしまいます。

洗面所に洗濯機を置く予定であれば、洗濯物が溢れてしまうかもしれません。

脱衣所を兼ねる洗面所であれば、狭くて、入浴前後の支度がしにくくなるでしょう。

玄関が狭く、十分な収納スペースを確保できなければ、玄関内は片付きません。

家族全員が、毎日必ず使う場所は、家族の人数に合わせて、
使い勝手の良い場所にしておけるよう、床面積の配分を考えることが大切です。

例えば、家族が4人以上いる場合には、洗面やトイレを2か所に作る、
洗面所や玄関には、家族の人数に合ったサイズの収納を作る、といったことができる床面積の配分です。

洗面やトイレは、子供が小さいうちは、一つだけでも、問題は起こりません。

しかし、子供たちが成長し、学校に通うようになると、家族の通勤通学時間がほぼ重なります。

そのような状況になると、朝は、トイレと洗面所、夜は洗面所と浴室が混みあってしまうからです。

加えて、せっかくの戸建て住宅なのに、必要最小限のユニットバスという浴室では、
豊かな生活を感じることはできないのではないでしょうか?

家づくりの基本は、家族が望む暮らしを実現できることです。

それを基にプランが進んでいくのですが、その際に、どうしても長くいる場所に、重きが置かれてしまいがちです。

でも、快適な生活のためには、浴室、洗面所、トイレ、玄関など、
毎日使う場所が、使いやすく快適であることも、欠かせない条件です。

それを踏まえた上で、床面積の配分を考え、自分たち家族に必要な居住面積を、割り出していきましょう。

蓮見工務店の家づくりへの想い

注文住宅,家づくり,設計

私たち蓮見工務店は、「工務店」+「設計事務所」ならではの
手作りの家づくりときめ細かいアフターメンテナンス、
そして設計事務所として培ってきた
デザイン性、高性能な家を提供させていただきます。

「熱を集め、移し、蓄える」

「風を通し、涼を採り、熱を排出する」

「直接的な日射を避ける」 「断熱・気密性を高める」

などのパッシブデザインも積極的に取り入れ、
今まで多くの雑誌にも掲載していただきました。

快適で心地よい暮らしは、設計、性能、見た目のデザインなど、
全てのバランスで実現できます。

そして、経験豊富な職人の手によってカタチになるのです。
私たち蓮見工務店は、それらすべてにこだわり、
お客様の一棟に全力をそそいでまいります。

注文住宅やリフォーム、リノベーション、店舗などの建築を
ご検討中の方には、これまでに携わったお宅をご見学していただけます。

「木造住宅の視覚的な心地よさ、
木にしか出せない香り、温かみのある手触り」

「木の心地よさと併せて太陽の光などを取り入れた、
パッシブデザインの良さ」

を感じて頂けます。

ご希望などございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。

監修者情報

蓮見幸男

蓮見幸男

住まいの知恵袋、家づくり問題解決仕事人

住宅に関するさまざまな事柄(耐震・温熱・耐久性など)を計算やシミュレーションにより可能な限り〝見える化"し、安心・快適な唯一無二の住まいをリーズナブルにお届けしたいと考えています。

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