テレワークができる間取りの家づくり

テレワークに備える間取りの新築住宅

コロナの影響で、私たちの生活は、ずいぶんと様変わりしました。その中で、働き方と、家で過ごす時間の変化は、暮らしやすい間取りに影響を与えつつあります。

近年、家で過ごす時間のほとんどは、リビングで過ごすという暮らし方の家族が増え、リビング中心の間取りが多くなっていました。リビングでは、家族それぞれが好きなことをするという過ごし方です。そのような過ごし方をするリビングには、家族全員で、テーブルを囲んで談笑したり、一緒にテレビを見たり、という過ごし方をするリビングより、広さが求められます。その結果、リビングに床面積を多く使えるよう、書斎や客間を省くという間取りが増えました。

ところが、コロナが発生し、テレワークをする人が増えた今、リビング中心で書斎のない間取りが、暮らしにくい家になってしまっている家庭が少なくありません。コロナが発症した時には、これほど長くコロナの影響下で生活する毎日が続くとは、思いもかけなかったという人が、ほとんどなのではないでしょうか?今になっても、いつ終息するのか、明確にわかりません。コロナ以前から、テレワークに移行を開始していた企業もありますが、今後、テレワークという働き方は、コロナ終息後も、コロナ発生以前よりは確実に増えると考えられます。

今から、家づくりを計画されているご家族は、子育てに備えると同時に、テレワークにも対応できる間取りにしていく必要があるのではないでしょうか?

テレワークに備えた家づくりとは?

本来、家は、休息の場所です。小説家や画家のように、家が仕事場という職業もありますが、一般的には、働く場所は勤め先であり、家は寛ぎの場所です。家族とのコミュニケーションを楽しみ、家族との愛情を育む場所であり、家の外での緊張感や、疲労を癒す場所でもあります。

テレワークに備えた家づくりとは、その空間を大切に守りつつ、仕事に集中できる場所を作る家づくりです。現在、リビング中心の間取りに、テレワークを持ち込んだことで、多くの家族が直面している問題は、家族の愛情を育むはずの場所が、ストレスを生む場所になってしまっているということです。

仕事を持ち込む本人にとっては、子供が煩くて仕事の集中できない、という焦りがあり、家族にとっては、仕事をしている人がいると、リビングで寛げない、という状況が生まれます。子供にとっては、友達を家に呼べない、リビングでゲームができないという不満もあるでしょう。リモート会議が始まると、ペットや子供が、部屋から閉め出されることも、あるかもしれません。

家族全員が居心地の良いリビングを維持するためには、リビング以外に仕事ができる場所を確保することが、一番の解決方法です。仕事をする本人にとって、寛ぎの場と、仕事の場が同じであれば、オンとオフの切り替えがしにくくなってしまいます。家族にとっては寛ぎの時間が制限されてしまいます。

ただ、テレワークをしていても、家族に負担をかけない間取りにするためには、LDK、寝室、子供部屋の他に、もう一つ部屋を造らなくてはなりません。床面積が拡がれば、必要な敷地面積も増え、予算が圧迫されてしまいます。多くの床面積を使わずに、テレワークをしやすい場所を確保するためには、どのような方法があるでしょうか?

テレワークをしやすい場所の造り方

仕事の場を完全の独立させたい場合には、書斎が理想的です。一方、家族の気配を感じながら仕事がしたいというような場合には、ロフトやスキップフロアを活用するという方法があります。

完全に独立できる書斎

小屋裏を利用する書斎

屋根組と開放的ホールが特徴の家

書斎があれば、仕事の場を完全に独立させられます。床面積に余裕がなくても、1帖あれば、壁面収納とパソコンデスクと椅子のある書斎が実現します。理想は、2,5~4,5帖です。4,5帖以上あれば、仕事上の来客の対応もできるでしょう。

どこに造る?

リビングや子供部屋からの声や足音が聞こえにくい位置が理想的です。2階に造る場合は、デスクチェアーを移動する音が響いても、問題のない場所にすると、気を遣わずにすみます。1階に早寝の家族の寝室がある場合などは、床の防音をするなど、特に注意が必要です。加えて、仕事上の来客が多い場合には、玄関の近くにしておくと、家族が気を遣わずにすみます。

また、北向きに窓が設けられる位置にすると、仕事に集中しやすいちょうど良い明るさが調えられます。リビングや寝室は、南や東からの明るい陽射しが好まれますが、書斎では眩しさ、明るさが集中力を妨げたり、PCに、光が反射してしまったりします。北向きの窓からは、眩しい光が入らず、1日を通して、穏やかな明るさが続き、仕事がしやすい環境が調えられます。

使い勝手を良くする工夫

狭ければ狭いほど、コンセントの位置が、書斎の使い勝手に影響します。間取り計画の際に、仕事に使うPCやプリンター、無線LANのルーター、スマホやタブレットの充電器など、コンセントが必要な物の数と、配置場所を具体的に想定して、コンセントの位置と数を決める必要があります。

コンセントが足りず、テーブルタップを多用すると、見た目が悪いだけではなく、掃除がしにくくなります。狭い部屋では足に引っ掛ける恐れもあります。PC用には抜け止め防止コンセント、USBと組み合わされているコンセント、無線LANや電話用のモジュラが組み合わされているコンセントなど、書斎で使う電気製品に合わせて、適切なタイプを選ぶことも必要です。

家族の気配を感じられるロフトやスキップフロア

ロフトを利用したワークススペース

変形敷地を有効利用した家

ロフトやスキップフロアを、仕事の場として活用する方法もあります。壁で遮断するのではなく、段差で緩い区切りが作られるので、家族の気配を感じながら仕事をしたい場合に向いています。

子供が学校から帰宅した時、独立した書斎にいると、帰宅した気配を感じ取れないこともありますが、ロフトやスキップフロアなら、仕事中にもお帰りなさいと声をかけられます。また、洗濯機やお掃除ロボットが停まった音が聞こえるので、仕事の合間の洗濯や掃除などの家事がスムーズにできます。

ご夫婦でテレワークをする場合、集中力がより必要な時や、リモート会議がある時には書斎を使う、子供の世話をしたり、家事をしたりする当番の日は、ロフトやスキップフロアのワークスペースを使うなど、状況に応じて、入れ替わって使うという方法も考えられます。

家を建てる地域を考え直す

コロナ以前から、テレワークを進めていた企業の中には、自社で働く人々が、東京以外の場所に居住できるようにする、という目的を持っていた企業もあります。自社で働く人々は、より良い環境で暮らせるようになり、企業にとっては東京の会社の維持費を縮小できるからです。現在、東京で勤務している人の中にも、子育て中には、自然が豊かで、空気のきれいな環境で暮らしたい、繁華街から遠い治安の良い地域に住みたい、と考える人は多いのではないでしょうか?

東京から離れれば、環境が良くなると同時に、土地の価格を抑えられます。郊外の土地の場合には、急行が停車する駅や、乗り換えられる路線が多い沿線の駅、そしてその駅からの距離など、通勤の利便性によって、土地の価格は変わってきます。

テレワークが増え、週に1回程度の通勤になったとしたら、通勤の利便性より、使いやすい書斎のある家を建てられる、土地の広さを優先するという考え方もあります。子供の学区なども考え併せた上で、通勤の利便性という制限を外して、土地探しをしてみるのも良いのではないでしょうか?

通勤に使う時間が、長くなればなるほど、自由に使える時間が減り、生活は制限されます。その為、多くの人が、通勤の利便性に捉われて、土地探しをしてきました。テレワークが増えている今は、その考え方を見直すチャンスでもあるのではないでしょうか?

蓮見工務店の家づくりへの想い

注文住宅,家づくり,設計

私たち蓮見工務店は、「工務店」+「設計事務所」ならではの
手作りの家づくりときめ細かいアフターメンテナンス、
そして設計事務所として培ってきた
デザイン性、高性能な家を提供させていただきます。

「熱を集め、移し、蓄える」

「風を通し、涼を採り、熱を排出する」

「直接的な日射を避ける」 「断熱・気密性を高める」

などのパッシブデザインも積極的に取り入れ、
今まで多くの雑誌にも掲載していただきました。

快適で心地よい暮らしは、設計、性能、見た目のデザインなど、
全てのバランスで実現できます。

そして、経験豊富な職人の手によってカタチになるのです。
私たち蓮見工務店は、それらすべてにこだわり、
お客様の一棟に全力をそそいでまいります。

注文住宅やリフォーム、リノベーション、店舗などの建築を
ご検討中の方には、これまでに携わったお宅をご見学していただけます。

「木造住宅の視覚的な心地よさ、
木にしか出せない香り、温かみのある手触り」

「木の心地よさと併せて太陽の光などを取り入れた、
パッシブデザインの良さ」

を感じて頂けます。

ご希望などございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。

監修者情報

蓮見幸男

蓮見幸男

住まいの知恵袋、家づくり問題解決仕事人

住宅に関するさまざまな事柄(耐震・温熱・耐久性など)を計算やシミュレーションにより可能な限り〝見える化"し、安心・快適な唯一無二の住まいをリーズナブルにお届けしたいと考えています。

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