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庭のある注文住宅に必要な敷地面積
土地は地域によって建ぺい率が異なります。建ぺい率とは、土地の中に建てても良い建物の最も広い階の床面積の割合です。総2階建てや、1階より2階の方が小さい家では、1階の床面積、1階より2階の方が大きい家では2階の面積ということです。例えば、建ぺい率が50パーセントの土地であれば、30坪の土地には15坪の家が建てられます。したがって、残りの15坪を庭や駐車スペースとして使えます。
この建ぺい率は、地域の居住環境や防災上の観点から定められている基準です。建てることのできる建物の用途を地域ごとに都市計画で定めた用途地域によって建ぺい率も指定されており、平屋から2階建てまでの住宅専用の地域である第一種低層住居専用地域から、高密度の商業施設や業務施設が立地する商業地域まで、30%から10パーセント刻みで80%まであります。比較的緑が多く、良好な住環境が調えやすい第一種低層住居専用地域や第二種低層住居専用地域は、建ぺい率50%、容積率(敷地面積と建物の延べ床面積の比)80%というあたりが多く、隣家との距離も確保出来る、ゆったりした庭のある家を建てられ地域と言えます。
一方、駅に近い利便性の高い地域などは商業地域や準商業地域に指定されることが多く、建ぺい率が80%という土地もあります。敷地のうち8割が住宅に占められるので、駐車スペースも確保できないというような土地もあります。例えば縦横それぞれ10mの敷地に対し、それぞれの境界から50㎝離して建物を建築すると、9m✕9mの建物になり、建ぺい率は81%となり敷地いっぱいに建っているイメージです。
同じ用途地域内でも建ぺい率は異なるため、庭を持ちたい場合は、土地の面積だけではなく、建ぺい率も念頭において土地選びをすることが大切です。
■ 暮らしに必要な利便性と、地域の環境、土地そのものが持つ条件の3点は、土地探しの上で、最低限抑えておきたいポイントです。それぞれの項目について考えていきましょう。
コラム 注文住宅を建てる際の土地探し
注文住宅での庭造りの進め方 砂利や人工芝を敷くだけなら問題は少ない
注文住宅では、庭も含めて外構と建物が同時に完成するよう計画が進められます。その為、住宅の建築工事が内装まで進んだ時点で、外構工事が始まるケースが多いです。しかし、この時にはすでに、水道やガスの配管が土の中に埋まっています。
砂利や芝を敷き込んだり、花壇を造りたい、枕木やレンガを埋め込んで歩道を造りたいという程度の要望は、さほど問題にならないかも知れませんが、根鉢の大きい日除けの為の樹木を植えたり、深い基礎の必要な門柱などの構造物を設えたいという事になると、希望した位置に設置できないという事にもなりかねません。
そのようなことにならないよう、家のゾーニングと同時に、敷地全体のゾーニングも計画を進める必要があります。南側の窓の前には高く育つ落葉樹を植えたい、カーポートは勝手口への動線の良い場所に設置したい、などの希望を採り入れてゾーニングすると、水道やガスの配管があると実現できない場所が分かってきます。
カーポート用に確保するスペースは、現在の車の台数とサイズではなく、暮らし始めてから増える可能性のある台数、買い替えなどで大きくなる可能性のあるサイズで計画しておくと良いでしょう。自転車に台数に関しても同じ考え方です。家づくりの時点では、まだ自転車に乗れない子どもでも、数年経てば自転車が必要になります。増える可能性のある台数に見合ったスペースを確保しておくことが大切です。
その他には樹木や草花を植えるスペース、歩道にするスペース、芝生を植えたり砂利を敷いたりコンクリートで舗装したりするスペースなどを、敷地全体と建物のバランス、門と玄関や勝手口、庭に面した掃き出し窓、駐車・駐輪スペースへの動線に配慮してゾーニングを決めていきます。その結果、建物の建築が始まる前にそれが明確になるので、希望を採り入れたゾーニング計画に従って、水道やガスの配管位置が決められ、思い通りに庭造りができます。
加えて、住宅の外見は、外観デザインと外構の組みあわせで印象が決まります。どちらかだけが優れていても、バランスの良い見栄えにはなりません。その為、デザインという観点から考えても、庭を含めて外構と建築は並行して計画を進めていくことが大切です。
■ 駐車スペースには、庭の一部にカーポートを設ける方法の他に、家の中に組み込みガレージハウスにする方法もあります。庭は樹木や草花でいっぱいにしたいという場合には、ガレージハウスを検討してみませんか?
コラム ガレージのある家
注文住宅の庭造りにかかる費用の考え方
広い庭を造りたいという場合には、建ぺい率にもよりますが、広い土地を購入するので、土地にかかる費用が嵩みます。土地にかける費用は建築費とのバランスを考えて割り出します。次に、庭も含めて外構にかける費用と建築費のバランスを考えなくてはなりません。
外構にかける費用がなくなり、何もしないまま住宅だけ完成した場合、雨の日に泥で玄関が汚れてしまいます。特に梅雨直前に住宅が完成した場合は、玄関の床が泥で悲惨な状態になり、掃除をしても完全にはきれいにできなくなってしまう恐れがあります。花壇は、暮らし始めてから徐々に育てていく楽しみがありますが、建物完成時にはアプローチだけでも調えられていることが理想です。
庭づくりはこだわりによって費用が大きく変わります。暮らし始めてから楽しみながら整えていく部分と、住宅完成時には同時に調えられている必要なある部分を分けて考えていくことが大切です。外部からの侵入者を防ぐ、玄関内を泥で汚さないという2点は最低限押さえておく必要があります。
次に考えておきたいことは雑草対策です。土のままにしておくと、あっという間に雑草が生えてきてしまいます。夏の間に手が付けられないほど生い茂ってしまうこともあります。雑草対策には、砂利やウッドチップを敷き詰める、コンクリートにする、ウッドデッキにする、芝生やグランドカバーを植えるなどの方法が挙げられます。この中には、新築時にしておくことが理想的である方法と、暮らし始めてからでもできる方法があります。
新築時にしておきたい方法
- コンクリート 完璧に雑草を防げます。その一方、夏は照り返しで家の中の温度まで上昇する、殺風景になってしまうという面があります。
- ウッドデッキ 中庭やL字型の形状の家の前庭部分を全てウッドデッキにする方法です。雑草が防げるだけではなく、アウトドアリビングとしても活用できます。但し、デッキ下にコンクリートを敷設しないと、地面からの湿気でウッドデッキの劣化が早くなってしまいます。
- タイルや敷石 タイルやレンガ、敷石、枕木などを敷き詰める方法です。芝生や砂利、グランドカバーと組み合わせることもできます。アプローチにする場合には、新築時には完成していることが理想的です。タイルやレンガの場合、照り返しの問題はコンクリートと同様になります。
暮らし始めてからでもできる方法
- 砂利 踏むと音が出るので防犯にも役立ちます。ただ、落葉樹の下は砂利と落ち葉が混ざって掃除が大変です。また、雑草対策として砂利の下に防草シートを敷き込むことをお勧めいたします。
- 芝生やグランドカバー どちらの場合も隙間から雑草が生えてきます。また、定期的に刈り取りをする必要もあります。きれいに保つためには、こまめな手入れが必要です。
- ウッドチップ 砂利は雰囲気を損なうからいやだな…という場合には、おしゃれな感じに仕上がります。ただ、雑草を防ぐ力は砂利より低下することに加えて、虫が湧いてしまう恐れもあります。
新築時にしておくことが理想的である方法を採用する場合には、家づくり予算の中に、庭にかかる費用の一環として、工事費や材料費を確保しておく必要があります。
家づくりには考えなくてはならないこと、決めなくてはならないことが非常に多くあります。ガーデニングに興味があるというような場合を除いて、外構や庭は後回しになってしまうことほとんどです。しかし、せっかくの新築住宅の玄関を泥だらけにしない為にも、雑草に悩まされる毎日にしない為にも、庭を含めた外構計画もしっかり建てていくことが大切です。
■ 近年はモダンな住宅が増え、室内と庭を繋ぐ空間と言えば、ウッドデッキがポピュラーです。家づくりの計画中には、ウッドデッキをはじめ、濡れ縁、広縁、土間など、さまざまな選択肢について考えてみませんか?
蓮見工務店の家づくりへの想い
私たち蓮見工務店は、「工務店」+「設計事務所」ならではの
手作りの家づくりときめ細かいアフターメンテナンス、
そして設計事務所として培ってきた
デザイン性、高性能な家を提供させていただきます。
「熱を集め、移し、蓄える」
「風を通し、涼を採り、熱を排出する」
「直接的な日射を避ける」 「断熱・気密性を高める」
などのパッシブデザインも積極的に取り入れ、
今まで多くの雑誌にも掲載していただきました。
快適で心地よい暮らしは、設計、性能、見た目のデザインなど、
全てのバランスで実現できます。
そして、経験豊富な職人の手によってカタチになるのです。
私たち蓮見工務店は、それらすべてにこだわり、
お客様の一棟に全力をそそいでまいります。
注文住宅やリフォーム、リノベーション、店舗などの建築を
ご検討中の方には、これまでに携わったお宅をご見学していただけます。
「木造住宅の視覚的な心地よさ、
木にしか出せない香り、温かみのある手触り」
「木の心地よさと併せて太陽の光などを取り入れた、
パッシブデザインの良さ」
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